ー日常ー街の住人達【3】

ー校舎内:廊下ー

悠「あっちいなぁ。こんな熱くなったら死人が出るぞ死人」

緋斗「せやねー」

悠「しかし、ここはいいな。風が通ってる」

緋斗「廊下のど真ん中やけどね。」

悠「おまけに木陰にもなってるし、なにより人通りが少ない」

緋斗「悠が陣取っとるから下級生が通らんようになったという状況な」

悠「なんでだよ。おれは別に野生の猿みたいに攻撃しないぞ」

緋斗「性欲は猿な……」

悠「ひゅっ」
スバッ!
緋斗「……」

悠「なんかいった?」

緋斗「イエベツニ」

悠「それに迷惑にかけないようにシートと座椅子は持ち込だぞ」

緋斗「持ち込むもんちゃうよな」

悠「え?」

緋斗「え?」

悠「自前のならいいだろ」

緋斗「いや、ええんかなぁ。」

悠「ただ、屋上にパラソルと椅子とテーブルと用意したら撤去されたけどな」

緋斗「よーやるわ」

京「悠ー!」

悠「おー、がりゅー!」

緋斗「あぁ、がりゅーちゃん」

京「何してるんだ?」

悠「涼んでる。」

京「おー、ホントだ。ここ涼しいな。」

緋斗「……俺、席外すわ」

悠「なんで?」

緋斗「気をきかせて」

悠「そうか。なら、ちょっと飲み物買ってきてくれ。おれアイスコーヒーブラック。がりゅーは?」

京「いいの?」

悠「遠慮なく」

京「じゃあ、お茶」

悠「お茶で」

緋斗「は、はーい」

悠「……あいつは天然のパシリ体質だな」

京「よかったのかな?」

悠「気にすんな」

京「うん!」

悠「ところで……そこの物陰にいる奴は誰だ?」

独「びくっ!」

京「ん?あ、独どうした?」

独「あ、いやー、偶然?」

悠「誰だ?」

京「友達だ」

悠「そうか。あれ、もしかして……お前アレか?おれがここに居座ってるから通りにくい下級生とかじゃないよな?」

独「え、いや、そういうわけではないっです。はい。」

悠「ならよかった。安心安心」

京「通りにくいのか?」

悠「そんなことないよな。」

京「うん!」

悠「うむ、安心安心」

独「はは……」
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