ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋界隈ー

灯「良い天気ですね。」

摩耶「だねぇ……殺意がわきそう」

灯「あぁ、すいません。日向は苦手でしたね。」

摩耶「平気平気。ちゃんと日陰にいるし」

灯「そうですか。辛くなったら言ってくださいね。」

摩耶「うん。辛くなる前に休むから」

灯「なるほど。」

摩耶「どこか行きたいところある?」

灯「どこでもいいですよ。摩耶君のお勧めの場所をお願いします」

摩耶「お勧めかぁ……池袋は初めて?」

灯「ちゃんと来たのは初めてですね。チラッと通ったりしたことはありますけど……東京に来るのがそう多くないので」

摩耶「ほうほう。じゃあ……適当にぶらぶらしちゃおうか」

灯「はい。」

摩耶「池袋っていっても広いようで狭いからこうやって歩いてるだけで、誰か知らにあうんだよね」

灯「へぇ」

氷室「おや」

摩耶「ほら会った」

氷室「どうも。摩耶君、こんにちは」

摩耶「こんにちは氷室さん」

氷室「そちらのお嬢さんは?」

灯「猿渡灯といいます」

摩耶「そして性別は僕と同じ」

氷室「おや、男の方でしたか。それは失礼しました」

灯「いえ、慣れてますから」

摩耶「氷室さん、今何してるの?」

氷室「図書館からの帰りです。小腹がすいたので何か食べようかと考えていました。」

摩耶「何かってラーメン?」

氷室「え?あー、ラーメンいいですね。暑いので冷やし中華という手もありますが」

摩耶「灯くん、中華好き?」

灯「え、あ、はい。特に好き嫌いはないです」

摩耶「僕中華好きだな~」

氷室「あはは、良いですよ。ご馳走しましょう」

摩耶「氷室さんありがとう」

灯「よろしいんですか?」

氷室「はい、ひとりで食事も味気ないので、付き合ってください」

灯「ありがとうございます。」

氷室「さて、それじゃあ、行きますか」

摩耶「うん。あ、でも途中寄り道していくね」

氷室「どこにですか?」

摩耶「いけふくろうを見に」

氷室「はぁ…。いけふくろうですか」

摩耶「そうそう。灯君は池袋の観光もしたいっぽいから」

灯「すいません」

氷室「ああ、そういうことですか、いいですよ。」

摩耶「池袋は、東口に「西武百貨店」があり西口に「東武百貨店」があるため混乱する人も多いでしょ?」

灯「確かにそうですね。昔、父と母が迷子になったことがあるそうです。」

氷室「いけふくろうは東口側にあるので。サンシャインシティ方面に出掛ける際の待ち合わせ場所として便利ですよ。」

灯「なるほど。けど、どうして東口に西武、西口に東武があるんでしょうか」

氷室「西武百貨店は、もととなる菊屋デパートが東口にあり、それを武蔵野鉄道(現西武鉄道)が買収して、武蔵野百貨店となり、その後西武となりました。その流れで東口にあるという事です。東武百貨店は東武鉄道の駅に設置、そこが西口だったという事です。」

灯「はぁぁ、なるほど。」

摩耶「西のキング、東のボスで二国化してることも関係あるよ」

氷室「はは、ないですよぉ~」
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