ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋:西口公園ー

神姫「……」

雲山「やぁ、神姫ちゃん」

神姫「久しぶり……でも、ないわね。」

灯「私は久しぶりですね。」

神姫「灯はそうね、っていうか……」

灯「なにか?」

神姫「いや、会うたびにかわいらしくなるわね。」

灯「あはは。神姫ちゃんこそ美人になってますよ」

神姫「……どうなの?」

雲山「いや、どうなのと言われましても……。まぁ、灯君のことは置いといてどこ行きますか?」

神姫「二人は何買うか決めてるの?」

雲山「酒ですね。とりあえず酒さえ与えとけば親父殿は喜ぶんで」

神姫「……うちもそれがいいのかしら」

灯「私の父もそれなら鉄板ですね。」

雲山「じゃあ……酒屋にでも行く?」

灯「服とかもいいんですけど……着ないんですよね。」

雲山「わかる。うちの親父殿も基本自分の好みの服しか着ない」

神姫「買ってもしまい込んだりするしね。私、昔買ってあげた靴が箱に入ったままでてきたことあるわ」

灯「勿体ないって思ってくれる気持ちはいいんですが、そのまま大切にしまわれててもこりますよね。」

雲山「そう考えたらやはり食べ物飲み物の方が確実に消費するからいいな」

神姫「そうね。お酒と……」

悠「お、何だ。なんかすごいのが雁首揃えてるな」

弩躬「おや、みなさんお揃いで何してるんだ?」

神姫「そっちこそ変わった組み合わせね」

悠「ガンダムトークしてた」

弩躬「そうそう。バーニィの最後の手紙は泣けるって話で盛り上がってな」

雲山「ガンダムか…」

灯「わかる?」

雲山「いや、全然」

悠「んで、そっちは?」

灯「父の日の贈り物について皆で話していたんです」

弩躬「あー、父の日か」

悠「興味ないなぁ」

神姫「悠も父親はいるでしょ」

悠「居たかなぁ」

神姫「親不孝も甚だしいわね。」

悠「そんなことねぇよ!」

雲山「ちなみに何も贈る気は?」

悠「皆無だな」

灯「そんなこと言わずに何か贈ってあげたらどうですか?きっと喜んでくれますよ」

弩躬「そうだな。」

悠「弩躬は贈るのか?」

弩躬「電話ぐらいかな。っか、俺の場合、先生が親代わりしてるから実の父母のが他人っぽいんだよな」

神姫「それも中々の発言ね。」

弩躬「あはは。まぁ、ほら、酉居家を支えてるっことが一番の贈り物だし」

悠「っか、おれは贈る側っていうか贈る側だし」

灯「娘さんがいらしてましたね確か」

悠「そうそう」

雲山「なら、孫として父親殿に娘の顔を見せたらいいんじゃ?」

悠「そんなことしたら絶縁か大戦争だよ」

神姫「色んな意味でむちゃくちゃね」
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