ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋:摩天楼ー

詠子「社長、一応。片づけは終わりました。」

京「終わりました。」

凍夜「はい、ご苦労様です。京ちゃんもありがとうね。」

京「楽しかったから問題ない……です。」

詠子「この人には無理に敬語使わなくていいわよ」

凍夜「そうそう。気軽に話して」

京「そうか。わかった。」

凍夜「それで、売り上げは?」

詠子「これです。」
トサッ

凍夜「ずいぶんといい値段で売れたんだね」

詠子「まぁ、色々あったので…」

凍夜「いろいろ?まぁいいや、ちょっと待ってて禅君に連絡入れるから」

詠子「がりゅー、こっちのソファーにかけてて」

京「わかった。」

凍夜「……え?あ、えーと、うん……。じゃあ、そういうことで……はい。」

詠子「どうかしました?」

凍夜「あ、いやー……この売り上げさ」

詠子「はい」

凍夜「くれるって」

詠子「……は?」

凍夜「いや、なんかね。本当に総身の中身処理したかっただけで、それを頑張ってくれたバイト代にくれるってさ。」

詠子「……社長は何か頼んでたんですよね。」

凍夜「その件はもう済んだよ。で、そうなってくるとこのお金だけど……」

詠子「……どうしましょう」

凍夜「ヨミちゃんとキョウちゃんでわけっこしたらどうかな」

詠子「わけっこって……」

凍夜「ちなみに、うち(摩天楼)側の今回の分のバイト代は用意してあるよ。」
スッ

詠子「……」

凍夜「いや、そんな深く考えないで両方もらっといていいと思うよ。ゴールデンウィーク全部頑張ってくれたんだし」

詠子「そういいますけど……両方合わせたら40万くらいいきますよコレ」

凍夜「だねぇ」

京「どうかしたのか?」

詠子「ちょっとね……」

凍夜「まぁ、ここは深く考えず贅沢しちゃえばいいんじゃないかな」

詠子「贅沢しちゃえばって……受け取ることは決定なんですね。」

凍夜「危ないお金じゃないんだし、労働の対価は受け取っておくべきだよ。ということで、はい。キョウちゃんのお給料ね」

京「ありがとう」

詠子「じゃあ、こっちの分も半分ね。」

京「これは何のお金だ?」

詠子「別途のバイト料よ」

京「もらっていいのか?」

詠子「えぇ、もらっていいの。がりゅーはいっぱい頑張ったからね」

凍夜「ボーナスみたいなもんさ」

京「そっか。うれしい!」

凍夜「あははっ。かわいいね。」

詠子「ですね。」

凍夜「ちなみに何に使うの?」

京「うーん…………わかんない」

凍夜「まぁ、額が額だからね。」

詠子「いや、この子の場合は本当に使い方がわからないだけだと思います」

凍夜「マジか…」
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