ｰ池袋:拳二のマンションｰ

詠子「……」

愛「うおぉ！」

京「おっおぉ？」
ガチャガチャ

詠子「ちゃんとしたコマンド入力に対してガチャプレイで対抗出来てるのはがりゅーのガチャが凄いのか、愛がヘタなのか……」

愛「くっ……手強い」

京「おぉ、己はいま勝ってるのか？」
ガチャガチャ

詠子「拮抗状態かしら」

京「よーし、頑張るぞ！」

愛「負けるかー」

詠子「はいはい、二人とも頑張って」

拳二「ただいま。おい、愛飯は……あ」

詠子「お邪魔してます」

拳二「おう。まだいたんだな。」

詠子「愛にすっかり捕まってましてね。」

愛「うおお！」

京「うおお？」

拳二「あぁそう。ん、ついでだ、金渡しとくぜ金。」

詠子「あ、はい。」

拳二「いい儲けになったろ」

詠子「儲けにはなりませんよ。このお金はあの倉庫の借り主にお返ししますから」

拳二「マジかよ。いくらかピンはねしとけ。ピンはね」

詠子「しませんよ。まぁ、でもここまで運んだ分の料金くらいはがりゅーに渡してあげたいですけど」

拳二「お前さん真面目だなぁ」

詠子「お金のことはちゃんとしときたいだけで普通です」

拳二「高校卒業したらうちくるか？金庫番が欲しいんだ」

詠子「遠慮します。」

拳二「給料はそれなりにいいぞ。」

詠子「それでもヤクザでしょ」

拳二「なに適当な会社名義を用意してやる」

詠子「完全に擬装のソレじゃないですか……」

拳二「かっかっか。」

詠子「はぁ……あ、そうだ。」

拳二「どした？」

詠子「愛の勉強の件ですけど……瓦谷さんの方でももう少しですね」

拳二「あーあー、そうだ！晩飯食わねぇか？なんかごちそうしてやるよ！」

詠子「全力で誤魔化してるようですけど全然ですよ！ちょっと！」

拳二「おい、愛！飯なに食いたい！飯！」

愛「ウニ！」

詠子「渋いわね…」

拳二「ウニか。じゃあ、寿司でいいな。」

愛「食べにいこう」

拳二「あぁ？俺ぁいま帰ってきたんだぞ。出前でいいだろ。」

愛「出前はダメだ。ウニ以外もある」

拳二「ウニ以外も食え！」

愛「わかった。でも、食べにいこう」

拳二「……わかったよ」

詠子「甘い…」

拳二「いや、もう口論するのがメンドイ。食いにいったら納得するだろ…」

詠子「それはそれでダメだと思います教育的に」

拳二「俺ぁに教育なんぞできるかよ」

詠子「一番いっちゃいけない言葉ですね。」

京「あー疲れた。」

詠子「お疲れさま」

京「帰るのか？」

拳二「待てよ。飯食いにいくから着いてこいよ」

京「ごちそうになっていいのか？」

拳二「お…」

愛「遠慮しなくていい。」

拳二「お前が言うな！」

詠子「仲がいいのか悪いのやら」

京「すごく仲がいいように己は見える。」

詠子「がりゅーがそういうならいいのかもね。」