ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋:裏路地ー

凍夜「ふぅ……ようやく、済んだかな」

「うぅ…」

「ぐぇぇ…」

「ちくしょぉぉ……」

凍夜「あれ、三人?もうひとりは……やばっ、逃がしちゃった?!」

「へっ、へへっ……馬鹿があいつが今仲間を連れてくるからな。」

「覚悟しやがれ」

凍夜「キミら、まったく反省してないね…。」

禅「仲間…は……来ませ……んよ」

崇「ふふっ」

本郷「……」
「うっ……ぐぅっ…」

凍夜「崇君、どしたの?」

崇「ちょうど用事が済んでな。まだやってるのかと思って様子を見に来た。そしたら、ちょぅど一匹捕まえたんだが……」

本郷「……」
ギリリッ
「うぐっ……ぅぅ……」

凍夜「それはお手数かけちゃって……ただ、その子首しまってない?何か顔色悪いけど」

崇「そのぐらいの加減はしてあるさ。だろ、本郷」

本郷「ふっ…」

崇「それで、これからどう幕ひく気だ?」

凍夜「んー……反省してないみたいだしねぇ」

崇「なら、こっちで処分しといてやる。本郷」

本郷「ふっ」

「ひっ、え、S・ウルフの……」

「か、勘弁してください!」

「ただの出来心なんです!」

凍夜「手のひら返すの速いなぁ」

崇「反省した振りが上手いのがガキの習性だからな。まったくもって反吐が出る」

凍夜「まぁ、血生くさいことはやめましょうよ」

崇「まさか、このまま帰すつもりじゃないだろうな」

凍夜「そんなつもりはないですよ。君たち物事を解決するに一番いいのはなにかわかるかな?」

「「「「……」」」」

凍夜「分かってないって顔だね。物事を解決するのに一番分かりやすい誠意は……お金だよ。」

崇「こんなガキから巻き上げてもはした金だぞ?」

凍夜「でしょうね。なので、一か月以内にひとり十万。死ぬ気で稼いできてもらいます。方法は問いません。だけど、問わないって言うだけでしていい事といけない事の区別はつけるようにね。着けられてないからこういう目に合ってるんだから、キッチリひとり10万。誰かひとり、一円でも足りなかったら学校、警察、親、ネット掲示板に君たちのことを話すから……いいね。」

「無茶苦茶だ!」

「十万円なんて無理だ!」

凍夜「無理ならやらなければいい。ただし、積むのはキミらの人生だ。」

「「「「……」」」」

凍夜「はい、これ俺の名刺。ここに書いてある住所の建物にお金は持ってきてね。小銭でもいいよちゃんとこっちで数は数えといてあげるから」

崇「禅、本郷、こいつらの携帯番号と他のメモリも抑えとけ」

禅「は……い。」

本郷「ふっ…」

凍夜「それじゃあ、解散ってことで……」

崇「少し顔を貸せ」

凍夜「え、あーうん。いいけど」

崇「アレで本当に済ませるのか」

凍夜「一番いい解決だと思いません?」

崇「俺ならこんな甘い決着はつけないな」

凍夜「それは厳しい……ですけど、金で解決できることは金で解決した方がいいじゃないですか。少なくとも俺は、解決できないような事になる前に、解決できることをせるのがいいと思ったんですよ。それに一カ月で十万は本当に頑張らないと難しい額ですからね。」

崇「稼げなかったら?」

凍夜「その時は……S・ウルフに任せますよ。ということで30万で彼らの見張りをお願いします」

崇「ほう、面白いな奴らの監視代を奴らに支払わせるか。」

凍夜「えぇ。あ、でも10万円はこっちの取り分ということで」

崇「いいだろう。今回はサービスだ。お前の裁量と手腕に免じてやる。」

凍夜「ありがとう。それじゃあ、また」
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