ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋界隈ー

凍夜「……」

禅「ど……も」

凍夜「やあ、さっきぶりだね。」

禅「です……ね。」

凍夜「でも、どうしたの?頼んでいたことはしてもらったし、料金についても話は終わったはずだけど」

禅「……」
カタカタ
『えぇ、こちら側の仕事は済みましたけどね。ここすら、アナタがどうケリをつけるのか……崇さんに見て来いと言われています』

凍夜「あらら…」

禅「……」
カタカタ
『まぁ、見学だけなので一切手出しはしないので安心してください。』

凍夜「それはそれでなんか悲しいような…」

禅「……」
カタカタ
『万が一のことがあったら救急車くらいは呼びますからご安心を』

凍夜「わーい安心だァ…」

禅「ふふ……ふっ……」

凍夜「じゃあ、行こうか」

禅「は……い。」
カタカタ
『お手並み拝見します』

凍夜「お手並みってほどの事はしないけど……ね。」




ー池袋:裏路地ー

「「「……」」」

凍夜「あぁ、ちゃんと来てくれたんだね」

「お前か…」

「ふざけたメール寄越した奴は」

凍夜「ふざけたことしてるのはどっちかというとそっちじゃないかな」

「はあ?」

凍夜「ここに来たってことは実際にやっちゃってたってことでしょ。ホームレス狩り」

「だってあいつら……社会のゴミじゃん」

「ゴミを処理してるんだから社会貢献だよなぁ。」

凍夜「反省の色なし……か。一応聞くけど謝罪とか行く気は?」

「するわけねぇだろ。」

「おい、おっさん。さっきからベラベラうるせーぞ」

「こっちに何人いると思ってる」

「ふざけやがって囲んでシメてやる。」

凍夜「はぁ……話しあいも出来ないはね。仕方ないから、少し痛い目にあってもらうよ」

「やっちまえ!!」

「「「うおぉぉぉ!」」」

凍夜「やれやれ…。「お兄さん」はこれでも平和主義なんだけどなぁ。」

「死ねぇ!」

大振りに殴りかかってきた腕を掴み、斜め手間へ引きこむと同時に右拳が少年の顔へとめり込んだ。

引く力と向かう力、最小の動きに最大の威力。受けて返す。これが、単純にして強力なのだ。

そして、彼らは統率のとれた集団ではない。ひとり潰されると勢いががくりと下がる。数の有利があると言えど、コレは一方的に狩る側ではない。反撃してくる相手なのだ。

そして、最大の敗因は戦力差を見極められないことだった。彼らは、今から五分後にひとりの男に全員倒される……その未来にまだ気付けなかったのだ……。
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