ー日常ー街の住人達【2】

ー池袋:貸し倉庫ー

詠子「つきあわせて悪いわね。」

京「全然いいぞ。でも、ここで何するんだ」

詠子「掃除とかいってたけど…」

走「あ、そこのひとーー!」

詠子「っ……」

京「うわっ…」

走「こっちっすよー!!」

詠子「っ……あの……」

走「どうしたんですかー!なにかあったんですかーーー!」

詠子「き、聞こえてるからもう少し声のトーン落として……。」

京「凄い声だ」

走「元気は声かすらっすよ!声から!たから、腹の底から声出さないとダメっすよー!」

京「なるほど!」

詠子「いや、それは納得しなくていいから」

走「まぁ、なんでもいいっすけどね。とりあえずこれ持ってついてきてくださいッす」

詠子「リアカー?」

走「はい、それ持ってこっちっす。」

京「よっ」
ガラガラ

走「はい、ここっす。」

詠子「貸し倉庫……ですよね?」

走「そうっす。処理して欲しいのは中身っす」

詠子「何が入ってるの?」

走「色々っす!!」

詠子「……」

京「開けていいか?」

走「もちろんっ!」
サッ

詠子「ん?」

京「よいしょっ!」
ガガガッ!
ドザザザ!

走「あちゃー」

詠子「あなた、こうなるの読んでましたね?」

走「ここに詰め込みまくったの私っスから」

京「ぷはっ!あー、びっくりした!」

詠子「平気?」

京「大丈夫だ。でも、これなんだ?」

走「ここの層はフィギュアとかっすね。」

詠子「それでこれをどうするの?」

走「売ってきてください」

詠子「……え?」

走「この倉庫の中身全部売ってきてくださいッす。」

詠子「全部って……」

京「あ、この人形。悠の部屋で見たことある。」

詠子「ちょっと待って。こんなのどこで売るのよ」

走「まんだらけでもどこでもいいっすよ。換金っていうよりは倉庫処理っすから」

詠子「……だからってこれ運んで売っての繰り返しは骨よね」

走「そっすね!!でも、頑張ってください!!」

詠子「……」

京「まかせろっ!!」

詠子「…………はぁ。とりあえず、乗せられるだけ野良ましょうか」

京「おう!」

走「それじゃあ私は別の用事があるんでコレお渡ししときますね!」
じゃら
詠子「鍵?」

走「この左右の倉庫の鍵っス!」

詠子「……」

走「あと、これが私の携帯っす!もし何かあったら連絡くださいッす!超スピードでかけつけますから!!」
バッ!

京「おー、速いなぁ!!」

詠子「……これ、絶対に今日中には終わらないわね。」

京「頑張っていこう!!」
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