ー日常ー街の住人達【2】

ー一年教室ー

詠子「ハァ…」

京「どした詠子?」

詠子「昼前の体育ってだるくない?」

京「そんなことないぞ」

詠子「そうね……聞いた相手が悪かったわ」

京「己はもっと体育だけでいいと思う」

詠子「ちゃんと勉強できるならそれでもいいかもね。」

京「じゃあ、己はダメだ……」

詠子「自覚はあるのよね…」

京「詠子はいいな」

詠子「なんで?」

京「体育ばかりでも許されてる」

詠子「許されてるわけじゃないんだけどね…。」

京「そうなのか?」

詠子「そうよ」

京「じゃあ、悠のがすごいのか」

詠子「……一応聞くけどなんで?」

京「学校に来ても来なくてもいいんだろ?」

詠子「うん、それ全然違うから」

京「そうなのか?」

詠子「今度お家の人に聞いときなさいね」

京「わかった。神姫姉に聞いておく」

ヴィーヴィー
詠子「あ、ちょっとゴメン。電話だわ。ご飯食べてて」

京「わかった。」

詠子「……もしもし?」

凍夜『あぁ、ヨミちゃん』

詠子「できれば平日の昼間はメール連絡にして欲しいのですけど」

凍夜『ごめんごめん。ところで、頼みたいことがあるんだけど』

詠子「電話掛けるほどに?なんですか」

凍夜『あはは。ちょっと片付け的な事を』

詠子「はぁ?」

凍夜『いや、ちょっと荷物整理的な仕事をして欲しいってことになってね。』

詠子「……それで私がやるんですか?」

凍夜『あはは、ダメかなー』

詠子「……いいですけど。」

凍夜『悪いね。場所とかはメールしとくから』

詠子「あ、ちょっと」

凍夜『ん?』

詠子「その片付けは私ひとりで出来る物の片付けなんですよね?」

凍夜『…………どうだろう』

詠子「話はなかったことにしていいですか?」

凍夜『ごめん、ごめん!念のためひとりふたり人手を集めといてもらえる?』

詠子「ひとりふたりって……」
チラッ
京「あむあむ」

詠子「……何とかなりそうです。百人分ぐらい」

凍夜『百人はいらないよ?!』

詠子「百人力って事ですよ。とりあえず了解しました」

凍夜『うん、よろしくね。』

詠子「特別手当と私とは別にバイト料をひとり分はちゃんと用意しておいてくださいね」

凍夜『あはは……りょーかいです。』

詠子「それじゃあ、昼食なんで失礼します」

凍夜『はーい……。』
プッ……

詠子「……はぁ」

京「おかえり」

詠子「ただいま。がりゅー、放課後用事ある?」

京「ないぞ」

詠子「じゃあさ、バイトしない?」

京「いいぞ」

詠子「……ありがたいけど、内容とか聞いてから返事しましょうね」
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