ー日常ー街の住人達【2】

ー池袋界隈:カフェー

氷室「……」
パラパラ

崇「ひとりでカフェか?」

氷室「おや、崇。奇遇ですか?」

崇「奇遇だな。お前の後をつけるほど暇じゃない」

氷室「そうですか。まぁ、コーヒーでもいかがです?こうやってゆったりとした時間を過ごすのもいいですよ」

崇「そうか」

氷室「はい。」

崇「本郷、コーヒーだ」

本郷「ふっ」

氷室「目と鼻の距離なのに自分で買いに行っても良いと思いますけどね」

崇「効率を考えただけだ」

氷室「効率は下がってませんか?」

崇「俺が動いたら本郷も動く。俺が動かず本郷だけ動けば半分だろ」

氷室「……まぁ、深くは追求しません」

本郷「ふっ」

崇「御苦労」

本郷「フッ…」

氷室「本郷さんもかけませんか?」

本郷「ふっ…」

崇「気にするな」

氷室「分かってましたけどね。」

崇「それにしてももうすっかりと春だな」

氷室「桜もつぼみがついていますしね」

崇「咲いたら花見をするのもいいな」

氷室「崇がそんなこと言うとは珍しい」

崇「気まぐれだ」

氷室「いいんじゃないですか?」

崇「また適当に悠を煽てないといけないな」

氷室「普通にお願いしてもいいと思いますが?」

崇「それじゃあ……つまらないだろ」

氷室「どこに重きを置いているのかわかりませんね」

崇「俺がおもしろいかどうかだ」

氷室「王様らしい発言です」

崇「ククッ」

氷室「……」

崇「……」

氷室「春ですね。」

崇「春だな。」

氷室「なにか話題ありますか?」

崇「あると思うか?」

氷室「質問に質問で返すのはいかがなんでしょうか」

崇「ひとにやられたらムカつく」

氷室「なるほど、崇も大概無茶苦茶ですよね。」

崇「気のせいだろ」

氷室「そうは思えません」

崇「……」

氷室「……」

崇「飯でも食いに行くか」

氷室「いいですね。なにを食べに行きます?」

崇「ベトナム料理」

氷室「韓国料理」

崇「中華」

氷室「和食」

崇「……」

氷室「……」

「「カレー」」

崇「決まりだな」

氷室「ですね。」

崇「本郷、車を回して来い」

本郷「ふっ」
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