ｰ池袋:摩天楼ｰ

拳二「邪魔するぜぇ」

凍夜「おや、瓦谷さん。どうも」

窈「あぁ、こんにちは」

拳二「お前さんも居たのか。ってか、もうこんばんわな時間だぜ」

窈「おっと、もうそんな時間か。居座って申し訳ない」

凍夜「いやいや、今日は暇だったんで」

詠子「んんっ」

凍夜「えーと、集金は明日ちゃんと行くからさ。ははっ。」

拳二「どっちが上か分かんねぇな」

凍夜「よく言われますよ。」

窈「ははっ。」

拳二「それより、金貸し暇なんだろ」

凍夜「今このタイミングで暇っていったら怒られるんでハッキリ暇なんて言えませんけど……なにかご用で?」

拳二「飯食いに行こうぜ」

凍夜「飯ですか?」

拳二「ああ、適当な奴が捕まらなくてな。お前さんなら暇だと思ってきたんだよ」

凍夜「あんまり暇って言わないで欲しいんですがねぇ…。」

拳二「ついでにお前もどうだ?仕事じゃねーんだろ」

窈「まぁ……ないですけど。いいんすか?」

拳二「応、構わんよ。ねーちゃんはどうだ?」

詠子「……家に帰らなくていいんですか?」

拳二「かっかっか、なんも問題ねーよ。あるとしたらピザや何やらの請求書がたまるだけだ。かっかっ……はぁ。」

凍夜「あまり大丈夫そうに見えませんけど…」

拳二「いいんだよ。大丈夫だからいくぞ!何食いにく!」

詠子「お寿司がいいです」

拳二「よーし、寿司だ。寿司行くぞ!!」

凍夜「若干……やけくそ?」

窈「まぁ、行きますか」



ｰ池袋:富久鮨ｰ

拳二「おう、大将。座敷借りるぞ」

大将「へい、らっしゃい」

詠子「へー、こんな近いところにお寿司屋さんあったんですね」

拳二「おう、俺ぁの行きつけよ。この店はな、その日築地市場に入った魚の中から厳選して仕入れてる。ネタの種類も豊富で、大将の熟練された最高の握りがイケるんだよ。酒も、冷酒は「八海山 酔鯨 天狗舞 浦霞」をはじめ、日本各地の地酒を取揃えてて、本格焼酎ワインもあるぜ」

窈「よく知ってますね…」

拳二「おう、全部悠がいってたことだ」

凍夜「動く食べログみたいですねぇ。彼って…」

大将「なににしましょうか?」

拳二「三万ぐらいでいいところ握ってくれ。あと、俺ぁ八海山のボトル。お前らは?」

凍夜「せっかくだし八海山をご相伴あずかりますよ」

窈「同じで構いません」

詠子「私は熱いお茶ください」

大将「はい、畏まりました。」

凍夜「頼み方が違いますねぇ。」

窈「後で……」

拳二「返そうなんていうんじゃねーぞ。俺ぁが飯にさそったんだ。俺ぁがださぁ。」

凍夜「江戸っ子ですねぇ」

窈「……では、遠慮なくごちそうになります」

拳二「おうよ。寿司だけでなく何か喰いたいのあったら頼めよ」

詠子「……あの、いいですか?」

拳二「なんだ?」

詠子「北海道アンキモ<
活き釣り穴子白焼きと富山産白海老を食べてみたいです。いいですか?」

拳二「かっかっか、ねーちゃん通だな。おう、遠慮せず頼め頼め。」