ー日常ー街の住人達【2】

ー池袋:魔天楼ー

窈「はい、今月分」

凍夜「はいはい、どうも」

詠子「コーヒーです」
コトッ

窈「これは、すいません」

凍夜「随分と返金も済んできましたね」

窈「おかげ様で。普通の金融屋だと利息がつくけど、ここだと元金だけだから助かってますよ」

凍夜「はっはっは、そりゃよかった。」

窈「それでもまだ先は長いですけどね。」

凍夜「何事もコツコツとが大事ですからね」

詠子「コツコツとちゃんと仕事して欲しいですね」

凍夜「コホン」

窈「ははっ。なかなか手厳しいね」

凍夜「ホントにそれですよ。まぁ、ヨミちゃんが頑張ってれてるんで大丈夫ですけど」

詠子「社長が頑張ってください」

凍夜「あ、冷めないうちにコーヒーどうぞ」

窈「遠慮なく」

凍夜「といってもインスタントですけどね」

窈「インスタントコーヒーの方が飲み慣れてるんで舌にあいますよ」

凍夜「そう?とかいいながら、普段は高級な挽きたて飲んでたりして?」

窈「いやいや、コーヒーと言えばインスタントってぐらいインスタントが多いですよ。そもそも挽きたてなんて会議とか打ち合わせででないし」

凍夜「そんなもんですか」

窈「そんなもんですよ。プロデューサーっていってもねぇ……」

凍夜「でも、いい仕事だよねぇ。アイドルのプロデューサーなんて。ねぇ、ヨミちゃん?」

詠子「はぁ…。私個人の見解としてはめんどくさそうな仕事って気がしますけどね」

窈「間違いではないね」

凍夜「キャバクラのオーナーも面倒って話してる人がいたなぁ」

詠子「そうなんですか?」

凍夜「めんどくさい客、女同士の派閥、その他諸々」

窈「あー……ある意味そっくりかも。」

詠子「なんか生々しいですね。」

凍夜「ヨミちゃんなんか面倒見いいし案外天職かもよ?」

詠子「なんていうか普通に嫌ですね。」

凍夜「え、そう?」

詠子「アイドルやキャバ嬢をプロデュースする前に社長のさぼりグセをどうにかしないといけないし」

凍夜「お世話してくれるひとがいると頼っちゃうんだよねぇ」

窈「その発言はどうなんだろうか……」

詠子「じゃあ、これからは突き放しますから自分でどうにかしてください」

凍夜「冗談だよ。冗談。冗談です~から……」

窈「どっちが社長か分からないね」

詠子「はぁ……っていうか、ただでさえ学校で二人ほど面倒みてる上にこれ以上増えるのは勘弁なんですよね。」

凍夜「ええと、がりゅーちゃんだっけ」

詠子「がりゅーはまだいいんですけど……愛って娘が……。」

窈「問題ある子なの?」

詠子「学校に何しに来てるかまったくわからない娘ですね。昼食の時以外起きてないし」

窈「それ、悠君と同レベルだね。まぁ、彼の場合は学校に居ないっていう状況も多いらしいけど」

凍夜「問題児だらけだなぁ」
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