ー日常ー街の住人達【2】

ー池袋界隈ー

六花「あー……暇」

鈴猫「それでもちゃんと店番してないとね」

六花「鈴猫さんは真面目ですねぇ。うちで働きませんー?」

鈴猫「いや、うちもお店あるし」

六花「二足のわらじってカッコイイじゃないですかー」

鈴猫「バイトの掛け持ちだよね、この場合」

六花「鈴猫さんが店番してくれたらきっと売上二倍、いや、三倍ですよー」

鈴猫「徒歩五分の距離で花売ってるひとが、ここでフルーツ売っても変わらない気がするんだけど…」

六花「キャバクラって」

鈴猫「はい?」

六花「キャバクラってフルーツの盛り合わせとかありますよね」

鈴猫「ある……っぽいね。」

六花「鈴猫さんがここでフルーツ売ればキャバクラっぽい雰囲気に促されておっさんたちが万札ばらまきますよー」

鈴猫「……褒められてる?」

六花「めっちゃ!」

鈴猫「えー……」

六花「まぁ、その場合格好は胸元とかが見える系のドレスを……」

鈴猫「着ないよ?!」

六花「ヘソはOKで谷間はダメかー」

鈴猫「どういう基準…」

六花「いや、それはあたしが聞きたいかなってー」

ゆうな「美人と可愛いお姉さん。フルーツくださいな」

六花「へいまいどー」

鈴猫「あ、ゆうなちゃん、ゆえちゃん。こんにちは」

ゆえ「こんちゃー……」

六花「どつちが美人ー?」

ゆうな「リッカちゃん。鈴猫さんは可愛い」

ゆえ「かわいい……」

六花「よくわかってるー」

鈴猫「コホン///」

六花「それで何買う?メロンとかひと玉言っとく?」

ゆうな「ツケ利く?お父さんあてで」

六花「いいよー」

鈴猫「よくないよね?!」

ゆうな「冗談は置いといてフルーツバーくださいな。私はパイナップル」

ゆえ「あたしはりんごひとつ……」

六花「はい、毎度。りんごは皮むく?」

ゆえ「かじるからへいき……」

鈴猫「え、平気なの?」

六花「ワイルドガール。ほいっ」
ポイッ
パシッ!
ゆえ「がじっ……!むしゃむしゃ……」

鈴猫「本当にマルカジリ」

ゆうな「皮にも栄養ありますから」

鈴猫「そ、そうだけど」

六花「お代いいですかー」

ゆうな「はーい」

鈴猫「あ、いいよ。私が買ってあげる」

ゆうな「悪いですよー」

鈴猫「遠慮しなくていいよ」

ゆうな「ありがとうございまーす!」

ゆえ「むしゃむしゃごくん……。ありがとーございまーす……」

鈴猫「どういたしまして。」

六花「溢れる女神臭」

鈴猫「そんな大層なものじゃない……っていうか、臭って……」
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