ー日常ー街の住人達

ー池袋:摩天楼ー

白嶺「お疲れ様です。……あら」

拳二「おうす」

白嶺「どうも」

凍夜「やあ、ヨミちゃん。お魚たべる?」

白嶺「お魚って……なに昼間からいっぱい引っ掛けてるんですか」

拳二「もう夕方だ」

白嶺「夜ではないですよ」

拳二「かっかっか」

白嶺「はぁ…。どうりで入口に鍵がかかってて変だと思ったんですよ。仕事する気がないんですからね」

凍夜「いやー、これは……そう、接待ってことで」

白嶺「何のですか…」

凍夜「……なんだろうね」

白嶺「はぁ」

拳二「若いうちから細ぇことをにすんな。いい感じに脂がのってて美味いぜ」

白嶺「……なんのお刺身です?」

拳二「鰤だ。」

凍夜「拳二さんが一本釣りしたらしいよ」

拳二「かっかっか。この前の休日にな」

白嶺「釣りが趣味なんですか?」

拳二「趣味にしようと思ってる感じだな。最近船買ったから使いたくて仕方がなくてよぉ」

白嶺「豪快なことで……。」

拳二「けど、ホントは最初悠を連れてくつもりだったのに結局相方が愛になっちまってなぁ」

凍夜「あれ、彼は海嫌いなの?」

拳二「いいや、アイツは半分水中生物だ。けど時期がな……」

凍夜「時期?」

拳二「冬だろ。アイツ寒いのはダメなんだよ。あんな顔して」

凍夜「顔関係あるのかな……」

拳二「それで冬の海に連れ出されるくらいならここで腹を切るとかいいだしたから、しかたなく諦めたんだ」

凍夜「そこまでですか」

拳二「昔はもーちょっとマシだったのに年々ひどくなってるなありゃ」

白嶺「そういえば、明日はバレンタインデーですね」

凍夜「あー、そうだねぇ。お店に顔出しとかないと」

拳二「そーだな。俺ぁもだ」

白嶺「お店って……」

凍夜「キャバクラ」

拳二「キャバクラ」

白嶺「はぁ……そういう営業チョコ以外でもらう相手はいないんですか?」

凍夜「んーまぁ、居たりいなかったり」

拳二「いねぇな。」

凍夜「はっきり言いましたね。」

拳二「ふんっ。そもそも俺ぁは甘いもんはそんな好きくねぇんだよ。どうせなら鮭とばがいいぜ」

白嶺「おっさん臭っ?!」

凍夜「……仮に超美人な女性が愛を込めて鮭とばもってきたらどうです?」

拳二「引くな。わりとマジで」

白嶺「どうしたいんですか」

拳二「どうせならチョコとかいらねぇから身体をくれりゃあ一番だ」

白嶺「先に謝っておきますね。すいません」

拳二「あん?」

白嶺「最低です」

拳二「かっかっか」

凍夜「ははっ、でもチョコを渡されたら嬉しいでしょ」

拳二「まぁ……なぁ」

白嶺「ホントですかぁ?」

凍夜「うんうん、ホントホント。やっぱりねぇ……女性から贈り物されるっていうのは嬉しいんだよ。例え義理と分かってても」

拳二「そうそう」

白嶺「それでキャバチョコですか」

凍夜「上手いことワード(言葉)にしたね」
18/100ページ
スキ