ー日常ー街の住人達【2】

ーとある山中:南拠点付近ー

風太郎「それでまさか正面から」

雷太郎「突撃するとはなぁ。」

灯「まだ突撃はしていませんよ。下見です」

雲山「まだっていうことはこの後やるつもりだろ」

灯「ふふっ」

雷太郎「十神将のひと達はどうして」

風太郎「平然と無茶をしたがるんです?」

雲山「……親の血かな」

風太郎「じゃあ……雲山さんも…」

雷太郎「あ……きっとそうなんだ」

雲山「私は親父殿よりまともです!」

灯「あんまり騒ぐと見つかりますよ」

佐助「ほっ!」
トッ
くのいち「にゃはん!」
トッ

灯「ああ、二人ともお帰りなさい。どうでした?」

佐助「やっぱり中にいるようでござんすね。風魔の旦那」

くのいち「えっとぉ、周りには五人。あとは拠点の中に数十人くらいいますねぇ。けっこう頻繁に入れ替わってるんでそれ以上の数はいないかと」

灯「なるほど……では、乗り込みますか」

雷太郎「わざわざ調査させといて」

風太郎「正面突破でいくんですか?!」

灯「敵の数は多く見積もっても三十程度、こちらは六人。ひとり五人倒せば済む話ですよね。」

雷太郎「……そりゃまぁ」

風太郎「……そうですけど」

雲山「それはいいとして罠の可能性という考えは捨てたのか?」

灯「罠だったとしてもそれを突破すれば問題ないですよね。頼りにしていますよ。雲山くん。」

雲山「あのなぁ…」

灯「ふふっ」

雷太郎「いつもこんな」

風太郎「無茶苦茶なの?」

佐助「いやぁ、こんなご機嫌な灯さんは初めてでござんすね。」

くのいち「ホントホント。」

灯「雲山くんの暴れっぷりを見るのは久しぶりなので楽しみなんですよ」

雲山「話しあいや最低限の被害で解決させようとは?」

灯「それは時既に遅しですよ。私も出来れば誰も傷つけずに風魔君を説得したかったです。ですけど、どうにも嫌な予感がするので最短即決で事を済ませましょう」

雲山「ふぅ……わかったよ。」

灯「そういってくれると思いましたよ。それじゃあ、まずは正面で陣取っている彼らを……佐助。くのいち。お願いします」

佐助「ガッテン!」

くのいち「お任せっす!」

雷太郎「って、あの二人で」

風太郎「先に突入させるの?」

灯「はい、見ていてください。アレで結構いい働きするんですよ。ほら。」

「敵だー!」
「わっ、なんだ煙が!」
「気をつけろ!」

くのいち「向こうだー!あっちに逃げたぞー!」

佐助「おぉっとバレちゃしかたねぇ。逃げるでござぁんす。」

「あのウザい喋り方は佐助だ!」
「追えー!逃がすなー!」

くのいち「わー、また煙だー!」

ワーワー!ぎゃーぎゃー!

雷太郎「……」
風太郎「……」

灯「ね?敵陣が一気に崩れたでしょ。さ、私たちは一気に乗り込みましょう。」
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