ー日常ー街の住人達【2】

ーとある山中:獣道ー

雲山「ふぅ……なかなか足腰に来ますね。」

佐助「でしょう。あっしらも毎回これがきついんですよ」

雷太郎「やっぱり」

風太郎「足腰の」

「「鍛錬のため?」」

佐助「それもあるんでしょうけど……普通に道路が通ってないっていうのが答えでごさぁーすなぁ。」

雷太郎「ひそ(あの人の喋り方)」

風太郎「ひそ(イラッとするね)」

雲山「猿飛君は…」

佐助「佐助でいいっすよ。気軽に呼び捨ててくださいな」

雲山「佐助はどのぐらい猿渡殿のところで?」

佐助「もう数年になりますねぇ。元々は灯(あかり)さんの友人ってだけだったんでござんすがねぇ」

雷太郎「灯さん?」

風太郎「誰です?」

雲山「猿渡さんの息子さんだ。私と同級生」

佐助「すっっっっごい美青年でござんす」

雷太郎「は?」

風太郎「あ?」

佐助「いや、これがホントなんでさぁ。あっしは男でござぁすけど、普通に抱けるだかれれるレベル」

雷太郎「……」

風太郎「……」

佐助「あ、一応言っときますけどあっしはノンケですからね。」

雲山「んんっ。まぁ、抱けるとかいうのは置いておいて、私の眼から見ても美形であるのは確かだよ。」

雷太郎「全然」

風太郎「想像」

「「できない」」

佐助「はっは、東さまがアレですから気持はわかるでござんすよ」

雲山「なかなか言うなぁ…」

佐助「東さまも昔は相当な美形だったららしいですから……昔は」

雲山「実は猿渡殿のことが嫌いなのか?」

佐助「まさか、我らが大主、大事でござんすよ。まぁでも、灯さんのが好きですが。あ、ノンケですよ?」

雷太郎「いちいち否定」

風太郎「しなくていい」

佐助「はっはっは、一応ね。おっと、見えてきました。あそこでござんす」



ーとある山中:忍の里ー

雷太郎「フツーの」

風太郎「一軒家だ」

佐助「ええ、里って名目ですが一軒家でござぁい。とりあえず中へどうぞ。こっちです」

雲山「玄関はこっちでは?」

佐助「玄関はダミーでござんす。開けたら催涙ガスや何やらが振りかかりますぜ」

雷太郎「物騒だな」

風太郎「尋ね人が」

雷太郎「開けたりしたら」

風太郎「惨事にならない?」

佐助「ご安心。よっぽど運が無いと迷い込みゃしませんよ。その前に罠にかかるでござぁい」

雲山「罠まであるのですか…」

佐助「あの獣道以外には適度な罠が仕掛けてあるでござぁ~い」

雷太郎「悪意が」

風太郎「見え隠れ」

「「している」」

雲山「はは……」
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