ー日常ー街の住人達【2】

ー猿渡家:大和室ー

猿渡「それじゃあ、手伝ってもらうことを説明する。おい、猿飛」

佐助「はいはいっと。はい、皆さま。こちらの地図ををご注目ください。」

雲山「……」

雷太郎「……」

風太郎「……」

佐助「ここが我らが猿渡東様のご自宅。そこから離れてこの山の麓。ここ、ここに我らが忍部隊の家という名の隠れ里がありましてね。さらに、此処から此処と、こっちと、そこ。その三か所に隠れ家があるんです。」

雲山「三か所に抜けた人たちがいると?」

佐助「いいえ、そこにいるのは同胞なんですよ。まずは彼らと連携を図るんでさぁ」

雷太郎「その脱走した奴の」

風太郎「情報はないのか?」

猿渡「情報ならしっかりあるよ。そいつの名は……風魔、風魔小太郎。」

雷太郎「これまた……まんまな名前だな」

猿渡「風魔小太郎って名前はおじさんが着けたんだけどな。」

風太郎「どういうことです?」

佐助「風魔の旦那はまったく出生が不明なんですよ。記憶が無い節もあるし」

猿渡「あるとき、ふらりと現れていついちまってな、そして育ててやったのにこの様だ。きききっ」

雲山「笑い事なんですか?」

猿渡「全然。」

佐助「風魔の旦那は得体のしれない雰囲気があるんで敵に回したくは無いんですけど……。そうも言ってられないですからねぇ。」

雷太郎「何か」

風太郎「問題が?」

猿渡「ああ、風魔を止める理由ってのはどうやら風魔は天に引き抜かれてる可能性があることだ」

雲山「なんだって?!」

猿渡「お前さんが知ってるんだ。天の坊主だって忍のことはしってて当然」

雷太郎「なるほど、それで忍隊を」

風太郎「俺らと同じように引き抜きに来た」

「「ということか」」

佐助「理解がお早い」

雲山「だとしたらのんびりはしてられない」

猿渡「ああ、他の連中にも風魔の奴がいたら捕まえるようにいってある。あとは、お前さんらで連携を図ってくれ」

雲山「猿渡殿は?」

猿渡「おじさんは司令塔だ」

雷太郎「一大事じゃ」

風太郎「ないんですか?」

猿渡「一大事だからこその司令塔だ。万が一ここを狙われたら困るだろ」

雲山「お任せください」

猿渡「お前さんはホント素直だな。任せるよ。きききっ」

雷太郎「……」

風太郎「……」

佐助「まぁ、あっしもお手伝いしますんで」

雲山「よろしくお願いします。」

佐助「それじゃあ、とりあえず隠れ里に行きましょう。あそこならもう少し詳しいこともわかるはずですし」

雲山「雷君、風君、いきますよ。東殿、失礼いたします」

雷太郎「失礼します」

風太郎「失礼します」

猿渡「おう。頼んだぜ」

佐助「それじゃあ、あっしも行ってきますわ」

猿渡「んー……さてさて、おじさんもちょっと働くかねぇ。風魔の奴を天側に引き込もうと橋渡ししてる奴がいるはずだしな……。」
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