ー日常ー街の住人達【2】

ー神姫のマンションー

こんこん
神姫「がりゅー?鍵なら開いてるわよ」

雲山「すいません。私です」

神姫「この声……雲山?今開けるわ」

雲山「夜分にすいません。ちょっとこの子を……」

京「ぐぅぅ…」

神姫「その辺に捨てといて」

雲山「そういう訳には…」

神姫「冗談よ。貸して、ベッドに運んどくから」

雲山「はい、では、失礼します。」

神姫「待ってお茶入れるからあがって」

雲山「しかし…」

神姫「二度は言わないわ」

雲山「……わかりました。お邪魔します」

神姫「こうして顔を合わせるのは久しぶりね」

雲山「そうですね。親父殿とは顔を合わせているようですが」

神姫「私にっていうより、父と顔合わせるとついでに雲水さんがいるという感じだけどね。珈琲でいい?」

雲山「はい。」

神姫「じゃあ、はい。」

雲山「いただきます」

神姫「それで……最近どう?」

雲山「ええ、おかげ様で風邪も引かずに健康で……」

神姫「そういうことを聞いてるんじゃないの」

雲山「は?」

神姫「なにか隠し事してるでしょ」

雲山「そうなんですか?」

神姫「……雲山さんて嘘がヘタよね」

雲山「嘘だなんて」

神姫「そういうのいいから、とっとと話してくれない?」

雲山「強引だなぁ」

神姫「めんどくさいのが嫌いなの」

雲山「ははっ」

神姫「笑い事でもないのよ」

雲山「……」

神姫「私たちって昔はよく一緒に遊んだわよね」

雲山「え?」

神姫「雲山は……よく泣いてたわね。」

雲山「神姫さん?」

神姫「どんなことで泣いてたかしら……そうそう、滑り台で……」

雲山「神姫!」

神姫「なに?」

雲山「コホン、そういう話しはよしましょう」

神姫「それじゃあ、昔話じゃなくて今の話しを聞かせてくれるかしら」

雲山「……」

神姫「それとも、昔話をつづける?」

雲山「……わかりましたよ。お話しますよ」

神姫「ありがとう。あと、その畏まった喋り方やめてもらえる?なんかめんどくさい」

雲山「喋り方でめんどくさいなんて言われ方をしたのは初めてだ」

神姫「フツーに話せってことよ」

雲山「まぁいい、私もさっき聞いたことなんだが……天が現れたそうだ」

神姫「やっぱりね」

雲山「やっぱりって……知ってたのか?」

神姫「予想ぐらいはつくわよ。ただ、確信が欲しかったのよ」

雲山「……親父殿か風雷コンビに臥劉君を送ってもらえばよかった」
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