ー日常ー街の住人達【2】

ー百目鬼相撲道場ー

雲山「ぐぬぬっ!」
ググッ!
ググッ!
雲水「がははっ!」

雷太郎「魁人さん」

風太郎「止めないの」

「「ですか?」」

魁人「いや、ほら、私も病みあがりだし。バッファロー同士のぶつかり合いに自ら突っこむほど愚かでもないし」

京「Zzz……」

雷太郎「座ったまま」

風太郎「よく眠れるもんだ」

魁人「こういう時は伊万里がいたらいいんだけど」

雷太郎「伊万里さんは」

風太郎「動けないほど」

「「傷が深いんですよね」」

魁人「あぁ、私が最後に見たときはミイラ状態だった。でも、養生所の先生さんに任せておいたら大丈夫だろう」

雷太郎「刀舟斎」

風太郎「かなう」

「「の処に居るんですか?!」」

魁人「そうだよ。っていうか、君らだってあそこで治療したじゃないか」

雷太郎「重症だって聞いたら」

風太郎「こっちの病院に搬送」

「「されてると思うじゃないですか」」

魁人「ああ、なるほど。それにしても、君らは本当に以心伝心してるな」

雷太郎「まぁこれが」

風太郎「俺達の強み」

「「ですから」」

雲水「おーし、お前ら会議続けるぞ」

魁人「あぁ。そっちも落ち着きました?」

雲山「まだ納得したわけではないけど、親父と掴みあってたら日が暮れてしまう」

雲水「がはははっ。親子のスキンシップも悪かねぇがな」

雲山「……」

魁人「はは……。それでは続きをお願いします」

雲水「おう。猿渡の奴の忍びを借りて来るって話だ」

雲山「東殿ならこっちにいるんじゃないのか?」

雲水「そうだったんだが……何でか今は実家の方に帰ってやがってな

雷太郎「猿渡さんの」

風太郎「実家はどこ」

「「なんですか?」」

雲水「三重だ」

魁人「三重って近畿地方の?」

雲水「そうだ。三重の伊賀にいる」

雷太郎「まさか、それで伊賀忍者?」

雲山「そのまさかです。ただ、伊賀忍者ではなく。忍び集団ってところです。日本に数少なく残ってる忍びが集まっているそうですよ。」

風太郎「正直、うさんくさいなぁ」

雲水「猿渡の処に行くのと九州に行くメンツに分かれることになるな」

魁人「九州?」

雲水「オレの親戚からひとり引き抜いて来ようと思ってな」

雲山「じゃあ、親父殿は九州に、私が三重だ。」

魁人「それじゃあ……私は師父に同伴します」

雷太郎「俺と」

風太郎「俺が」

「「雲山さんと三重か」」

雲山「そうなるね。ところで……彼女は?」

京「Zzz…」

雲水「必要なかったな」

雲山「はぁ、起こして車で送ろう」
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