ー日常ー街の住人達【2】

ー居酒屋:三日月ー

拳二「そういや、女将さん。ここの店、休業予定は?」

凛「四日までは休もうと思っています。」

拳二「そっか……。」

悠「今日は何時までやるつもりなんだ?適当に追い出さないと。コイツらは年明けてまで……いや、朝まで居座りますよ?」

恵瑠「ぅぅ……」

後楽「げへへへっ」

拳二「がはははっ」

凛「んー、どうしようかしら。」

悠「追い出したくなったら行ってください。おれが叩き出しますから」

恵瑠「ぅぅぅ……」

悠「……さっから、なにひとの後ろで唸ってる?」

恵瑠「理由が分からないとな!!」

悠「さっぱり。」

恵瑠「がるるる!」

悠「唸られた件」

後楽「兄ちゃんはわかってねぇな。女が怒るの事は相場が決まってるだろ」

悠「つまり?」

後楽「金だ」

恵瑠「違いますっ!!」

後楽「金じゃないとしたら……借金だな」

悠「お前がどうやって破滅していったのかよくわかるな」

後楽「げへへへっ」

拳二「……俺ぁがいっていいか?」

悠「お前に当てられるとは到底思えないけどな」

拳二「クリスマスプレゼント」

悠「…………当たり?」

恵瑠「そうですよっ!なんで私にはないんですか!!」

悠「本音と建前どっちがいい?」

恵瑠「どっちも聞きたくないんで何かください」

後楽「なかなか強かな娘だな。こいつは相当大物になるぞ」

悠「いま、ポケットティッシュぐらいしか持ってないんだよな……いる?」

恵瑠「そろそろ泣きますよ?マジ号泣ですよ?」

悠「アイドルだから涙くらい余裕だろ」

恵瑠「チッ」

悠「今聞こえた。舌打ちしたぞこのカエル!」

恵瑠「気のせいですよ☆」

拳二「女はいくつでも怖ぇな」

後楽「だけど、男は女がいないとダメだ。駄目になる」

悠「お前は存在がダメだけどな」

恵瑠「セーンーパーイー!」
ぶんっぶんっ!
悠「揺らすな揺らすな。変な酔いかたしてリバースする」

後楽「じゃあ、おじさんが食事に連れて行ってあげよう」

悠「誰の金でだ?」

後楽「もちろん、兄ちゃんの」

悠「木っ端みじんにするぞ」

後楽「木っ端はいやだな。この葉を金には出来るけどな。」

悠「詐欺狸が……。しかし、あと、おれが今持ってるものと言えば……PSV、アイポッド、髪止めのゴム、ポケットティッシュ、柔らかお尻ボール、リップクリーム」

拳二「それだけの物をポケットに突っ込んでて携帯が入ってなてって何なんだ」

悠「けい……たい?」

後楽「何それみたいな顔してんな」

恵瑠「その中だったらとりあえず髪止めのゴムでいいですよ。お揃いにしましょうね!」

悠「えー……」

恵瑠「えーってなんですか!えーって!!」

悠「わかった、わかったから落ち着け。」

恵瑠「ぷんぷん!」

後楽「案外押しに弱いんだよなぁ。」

拳二「女に弱いのもプラスしてるしな」

悠「うっせーよ!」
46/100ページ
スキ