ｰ居酒屋:三日月ｰ

悠「これをどうぞ」

凛「はい?」

悠「クリスマスなプレゼント遅れました系です。」

凛「あらあらぁ、そんな悪いわぁ」

悠「いえいえ、元手はタダなんで。命は関わりましたけど。ついでに、軽く命を散らした奴もいますけど」

凛「はい?」

悠「まぁまぁ、気にしないでください。」

拳二「そうそう。気にせんでいいぞ。」

後楽「そうそう、気にしなくていいんだぜ。」

悠「テメーらがいうな。特にジジイ」

後楽「なんだよ、今日はおじさんの奢りなんだぜ?」

悠「お前の奢りってのは本気で信用できない。あと、金の出所をいえ。場合によったら狸鍋にするぞ。」

後楽「わぁぉ…」

拳二「ふー、アンタ、マジで信用ねぇな」

後楽「不思議とねぇ」

悠「不思議でも何でもねぇ。お前の全てが全力で信用ならねぇ。」

後楽「はっはっはっ。」

悠「笑ってんじゃねぇぇ!!」

拳二「ふー……ところで女将さん?」

凛「……」

拳二「おーい?」

凛「あの、悠君?」

悠「ちょっと待ってくださいね。狸、殺るんで」

後楽「いやいや、胸ぐら掴んで、片手に出刃包丁を握り絞めるのよくないって。ホント、それ刺さる!ホントに刺さる!!」

凛「あの……」

拳二「店が汚れるから自宅にしとけ」

悠「それもそうだな。それでどうかしました?」

凛「これ、とても高価そうなんだけど」

悠「純銀ですからね。安物ではないですよ」

凛「もらえません!」

悠「いやー、ホントいいから貰っといてくださいよ。」

凛「でも…」

後楽「なんだったら、おじさんが預かってさらに金額を吊りあげて……」

悠「邪ッ!!」

ドグシャ!
後楽「ごぶぁっ!」

拳二「鼻っ柱ガスッたな」

悠「ふー……。凛さん用にあてがったものだから遠慮しないでくださいな。」

凛「でも…」

悠「じゃあ、ビールサービスしてください。おれだけ」

拳二「なんでキッチリ俺ぁと後楽をはずした」

悠「大事なことだから」

後楽「おじさんだって身体張ったのにな。」

悠「正確に言えば上半身が吹き飛んでたけどな。りんねティチャーで慣れてるけどお前がしっかり復活したのが非常に驚いて残念だったよ」

後楽「得意の身代わりが失敗してたら危なかったぜ」

悠「いや、完全に入ってたよな。ヴィクトールの流し切りレベルで入ってたよな。」

後楽「兄ちゃん、例えが分かんねぇよ」

拳二「お前らの会話が分からねぇ」

悠「おれも娘に対サンタトラップに純銀ベアリングクレイモアを仕掛けてるのが分からねぇよ」

拳二「なんでお前のところの娘はサンタを殺そうとしてる?」

悠「それが一番謎だ」

後楽「嬢ちゃん達曰く……サンタを捕まえて、プレゼントをくれるお礼がしたいそうだぜ。」

悠「さすがおれの娘だ」

拳二「殺傷率100％の罠なのにか?」

悠「何事にも全力を尽くせと教えてるからなぁ」

後楽「おじさん、さすがにアレはやり過ぎだと思うぜ?」

悠「おれの娘だ。問題ない。」