ー日常ー街の住人達【2】

ー小鳥遊邸:大広間ー

白巳「しゅぴぴ…」

クラフト「……」

悠「えーと、おっさん。おっさんは一階の渡り廊下の奥の部屋を使ってくれ。……聞いてるのか?」

クラフト「聞きたいのだが、あれは何だ?」

悠「あれって……白巳か?」

白巳「しゅぴぴ」

クラフト「海月か……不定形生物か?」

悠「人間だよ。とろけて寝てるけど。普通に手足あるだろ。ほら、こことここ。」
ぷらぷら
白巳「しゅぴ~…」

クラフト「……人の形を模している、ということか」

悠「違う!そいつはナマモノっぽい人間!」

クラフト「何故だろう……アレからは私と近い何かを感じる」

悠「多分気のせいだろ」

クラフト「気のせいか……。」

悠「折れるの早い。っか、なんで白巳ここで寝てるんだ。よいしょ」

白巳「すぅすぅ…」

クラフト「ワープか」

悠「ちげぇよ。おーい、真桜。真桜。」

真桜「なんだなの。そのおっさん用の部屋の片づけは終わったのかなの」

悠「終わったよ。じゃなくて、ここに白巳が落ちてたんだけど」

真桜「歩いててそこで力尽きて寝たんだろなの」

悠「謎はとべてすけた!」

真桜「……っで?」

悠「あ、いえ……なんで落ちてたのか気になっただけです」

真桜「暇なんだななの」

悠「いやー、おっさんの相手で忙しいかな……あれ?おっさんは?」

クラフト「63、64、65……」

真桜「暇があったら畳の目数えたりしてるななの。」

クラフト「ブッブッ…」

白巳「ふあぁぁっ。」

悠「あ、起きた」

白巳「すぅすぅ…」

悠「そして寝た。」

真桜「もうそいつはヒーター敷いたガラスケースに入れとけなの」

悠「イグアナや蛇のペットじゃないんだから」

真桜「爬虫類のペットみたいなものだろなの」

白巳「しゅぴぃ…」

悠「……まぁ、それは置いといて」

クラフト「98、99、100…」

悠「おっさん、おっさんて」

クラフト「ん?なんだ」

悠「アンタの部屋、廊下の奥な」

クラフト「あぁ……どこの惑星と」

悠「繋がってない」

クラフト「窓に……」

悠「何も居ない」

クラフト「部屋の角という角を……」

悠「潰してない。犬は出てこない、入って来ない。っか、そういうモノを呼ばないでくれ」

クラフト「……善処する」

真桜「我が家に置いておくのが危険な気がするナの」

悠「害はないと言われてるから……多分大丈夫。ちゃんとお金も貰ってるし」

真桜「その金はちゃんと全額真桜に渡せなの。お前に預けておくとろくな使い方しないなの」

悠「き、厳しい……」

真桜「あと、狸ジジイに盗られるのもイラッとするからちゃんと銀行に入れとくなの」

悠「しっかりものね」

真桜「しっかりしてないとやりくりできねぇなの」
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