ー日常ー街の住人達【2】

ー一年教室ー

独「はぁぁ…」

月島「独……そんなにお腹すいたのか」

独「そういうため息じゃねぇよ!」

月島「なに?じゃあ、恋する気持で胸いっぱいとか?気持ち悪っ」

独「なぁ、いっぺんぶっ飛ばしていい?ぶっ飛ばしていい?」

月島「えっ」

独「今度はなんだ」

月島「いや、人一倍臆病で作戦が常に命を大事にタイプの独が殴っていいだなんていうから……ついに、見た目通り悪い道にでも進みだしたのかなって」

独「頭っから最後までとことん失礼なことをよく言えるよなお前」

月島「光栄です」

独「どこをどう聞いて褒められたと思った?お?」

月島「んー……いや、別に。」

独「俺、なんでお前と友達してるんだろうな」

月島「基本的に独は友達が少ないからじゃないか?俺はホラ、こっちからお前に話しかけてるし。どっちかっていうと、お前自分から話しかけていくタイプじゃないし、人を寄せ付けない雰囲気出してるじゃん」

独「何か泣きたくなってきた。」

月島「えっ、ちょっと待って」
ごそごそ

独「本当には泣かないから携帯準備しようとすんな!」

月島「きっと腹減ってるからイライラしちゃうんだって。ご飯食べようぜ、ご飯」

独「はぁぁぁ…」

月島「そんなため息ついてると、喉笛を貫かれるぞ」

独「誰にだよ!なんでだよ!怖ーよ!」

月島「そんなことより、コンビニでおにぎりを買って来てたんだけど、休み時間毎に食べてたら無くなったんだよな」

独「そりゃ食べたら無くなるだろ」

月島「ということで弁当分けてくれ」

独「嫌だよ?!」

月島「卵焼きとか好きだよ」

独「ちゃっかり好みを催促するな」

月島「でも、考えてくれ。」

独「なにを?」

月島「お前が食べてるところを、俺が黙々と見つめてたら食べづらいだろうけど、少し何かわけてくれたらそんな罪悪感は無くなるだろ?」

独「初めっから俺にはなんの罪悪感も生まれてませんけどね!!」

月島「お、臥劉さんが教室に居る」

独「今日は先輩が捕まらなかったんだろ」

月島「……」

独「なんだその憐れんだ目は」

月島「いや、何か勝ち目ゼロって辛いなぁって思って」

独「なんの勝ち目がゼロだよ!」

月島「いっていいのか?」

独「……やめろ、やめてください。」

月島「うん。何かごめんな」

独「そこで謝るなよ…。余計悲しくなるだろ」

月島「胸一杯になったなら俺が弁当食べてあげるよ」

独「お前反省してねぇな!」

月島「俺が……何を反省する必要があるの?」

独「ぎーーー!」

月島「あははは」

京「おい」

月島「ん?」

独「お?」

京「昼ご飯がないなら己のを少し分けてあげる。サンドイッチだ。好きなの取っていいぞ」

月島「マジ?やった、それじゃあ、コレとコレもらうね。ありがとうね。」

京「うん。それじゃあ」

独「……」

月島「……」

独「この弁当とそのサンドイッチ交換してください」

月島「俺、お前のそういうカッコ悪いところ嫌いじゃないよ」
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