ー日常ー街の住人達【2】
ー百目鬼相撲道場ー
伊万里「天馬さん……天馬将さんはそのことは?」
雲水「もちろん、その時まで知るわきゃねぇはな。それで十神将は割れた。」
伊万里「割れたったって天と蒋以外全員が反対だったんじゃ?」
雲水「……天は自分を筆頭とする新たな十神将を創る。それに加わらないのは構わない。だが、敵対するなら容赦はしない。そう言い切ってその場から消えた。蒋と共にな。残った旧十神将でそのまま話しは続いた。第一声は天馬と道玄の謝罪からだった。あの時の面ァは今でも覚えてらぁ。しかし、そんなことよりどうするかの話しが先だ。当然、道玄と天馬は息子の愚行を止めるといった。オレはもそっち側だった。だが、違う意見もあった、駒狸水仙はあくまで中立いるとな」
伊万里「中立?」
魁人「駒狸家は初めっから武家じゃない。今も昔も十神将では中立の立場でいた。あの小鳥遊弥一との交流(話し合い)を引きうけたりそういう場を設けていたのも水仙さんだ。」
伊万里「……」
魁人「その様子だと知らなかったようですね。」
伊万里「……聞いたことはあった。」
雲水「狸の中立、それに同意したのが秋と鳥だ。」
伊万里「弩躬が中立?」
魁人「バカ。弩躬はその時はまだ大本になってない。」
伊万里「あぁ……でも、あの妖女な人が引いたってのは何か変な感じだ。九頭竜師と百目鬼師を除いたらあの人が一番不気味だし」
雲水「がははっ、鳳は妖の類みてぇなもなんだからな。真意は不明だが弥一と同い年って噂もある。」
伊万里「いやいやいや、どう多めに見積もっても30前半にしか見えんのですけど…」
雲水「それは置いといて鳥居は駒狸家の護衛についたんだ。秋は完全な抜けだ」
伊万里「抜け?」
魁人「十神将から一番最初に無くなったのは秋月家なんですよ。今は秋宵月家が秋の位置に着いていますけどね。幼女が」
伊万里「幼女がって……」
雲水「そこから、東京の小鳥遊兜馬&悠の警護に猿、春。京都の小鳥遊梔と柏には夏が着いた。残ったオレ、道玄、将、夜見(鬼、龍、馬、冬)が天討伐メンバーになった。」
伊万里「精鋭だそりゃ…。けど、四人で?」
雲水「いいや。神姫嬢、オレの息子を含めた六人だ。あの時、揃えられる最高のメンツかつもしかしたら説得できるかもしれないと思う人選だった。」
伊万里「でも駄目だった」
魁人「言葉を選ぶのと空気を読みなさい」
雲水「構わんさ、事実だ。こっちもこっちだが向こうも雁首そろえて居やがった。天を筆頭に蒋、龍剄を使う奴が数人名前は知らんが王蟲(オーム)とか泡翠(ラザー)とか呼ばれてたのは確かだ。それと……どうやったのか他の十神将から何人も引きぬいてやがった。」
伊万里「他のって……」
雲水「もちろんオレの所からもだ。アレにゃおどれーたぜ。天の恐ろしいところのひとつともいえるな実際に新十神将を作りつつあった。オレらが少数で来ることも読んでたんだろうな。多勢に無勢。」
魁人「それでも勝った」
雲水「おう。いくら優秀なのを引きぬけてても一流まではいかない発展途上の奴らばっかりだ其処らの奴らはどうにでもできた。だが、天と蒋はさすがに手ごわかった。道玄と神姫嬢とオレが天を、蒋には天馬と息子が当たった。夜見の奴は発展途上組の処断だ。」
伊万里「三体一や二対一で同等だったんスか?」
雲水「まさか、こっちが明らかに上回っていた。あの時はな、そういうやり方をしても潰さなきゃならんかったんだ。始まれば終わりが有る。天はついに撤退の命を出した。しかし、大抵の奴らは夜見に壊されていた。二度と握手出来なくなったヤツも居れば固形物を食えなくなる奴も居たな。最終的に逃げたのは天を含む四名だ。」
伊万里「天は逃げ切ったのか…」
雲水「いいや。それは違う。ただで逃がすわけがないオレと道玄で武道家としての生命は断った。両足の腱だ。百歩譲っても二度と自分の足では歩けなくした。」
伊万里「えっ、けど……」
雲水「まぁ、最後まで聞け。両足を壊したところでオレも道玄も相当負傷していたが勝ちはした。だが、道玄は最後の力で天を殺すつもりだったんだろうな渾身の力での貫手。見事に心の臓腑を穿った……蒋のな。」
伊万里「……」
魁人「……」
雲水「息子と天馬は蒋を押さえつけていた。だが、死に物狂いで振り払い天の盾になった。貫かれて確実に死ぬことを分かってなお道玄を押さえつけながらオレらを牽制する蒋をどうにかする何て誰にもできなかった。天はその間に逃げのびた奴らが回収した。道玄は天馬に当然謝罪をした。天馬は怒りも恨みも言わずただ「この男は息子じゃない。何か取り返しがつかなくなる前に止めてくれたことを感謝する」とな。だから天馬のところの長男は居なかった事になってる。っーか、今の息子が長男だ。これが全てだ。この戦いで十神将も天も深い傷を受け全て終わったはずだった……が、また天が行動し始めている。なんて事を聞いたら危惧するだろ?」
伊万里「そりゃ……え、けど、待ってください。天は足を壊されて自分じゃ歩けない身体になってるんでしょ?普通に行動してるってのはどういうことですか?」
雲水「そこがオレも信じれんのだ。もしかしたら天と名乗っているだけで天じゃないとも、オレは思ってる。何にしても分からないことと不合点が多過ぎるんだ今の状況は」
魁人「仮に……何らかの手で足が治っていたうえで本物の天だっとしたら?」
雲水「少なくともオレと道玄は動かざる得ないだろうな」
伊万里「天馬さん……天馬将さんはそのことは?」
雲水「もちろん、その時まで知るわきゃねぇはな。それで十神将は割れた。」
伊万里「割れたったって天と蒋以外全員が反対だったんじゃ?」
雲水「……天は自分を筆頭とする新たな十神将を創る。それに加わらないのは構わない。だが、敵対するなら容赦はしない。そう言い切ってその場から消えた。蒋と共にな。残った旧十神将でそのまま話しは続いた。第一声は天馬と道玄の謝罪からだった。あの時の面ァは今でも覚えてらぁ。しかし、そんなことよりどうするかの話しが先だ。当然、道玄と天馬は息子の愚行を止めるといった。オレはもそっち側だった。だが、違う意見もあった、駒狸水仙はあくまで中立いるとな」
伊万里「中立?」
魁人「駒狸家は初めっから武家じゃない。今も昔も十神将では中立の立場でいた。あの小鳥遊弥一との交流(話し合い)を引きうけたりそういう場を設けていたのも水仙さんだ。」
伊万里「……」
魁人「その様子だと知らなかったようですね。」
伊万里「……聞いたことはあった。」
雲水「狸の中立、それに同意したのが秋と鳥だ。」
伊万里「弩躬が中立?」
魁人「バカ。弩躬はその時はまだ大本になってない。」
伊万里「あぁ……でも、あの妖女な人が引いたってのは何か変な感じだ。九頭竜師と百目鬼師を除いたらあの人が一番不気味だし」
雲水「がははっ、鳳は妖の類みてぇなもなんだからな。真意は不明だが弥一と同い年って噂もある。」
伊万里「いやいやいや、どう多めに見積もっても30前半にしか見えんのですけど…」
雲水「それは置いといて鳥居は駒狸家の護衛についたんだ。秋は完全な抜けだ」
伊万里「抜け?」
魁人「十神将から一番最初に無くなったのは秋月家なんですよ。今は秋宵月家が秋の位置に着いていますけどね。幼女が」
伊万里「幼女がって……」
雲水「そこから、東京の小鳥遊兜馬&悠の警護に猿、春。京都の小鳥遊梔と柏には夏が着いた。残ったオレ、道玄、将、夜見(鬼、龍、馬、冬)が天討伐メンバーになった。」
伊万里「精鋭だそりゃ…。けど、四人で?」
雲水「いいや。神姫嬢、オレの息子を含めた六人だ。あの時、揃えられる最高のメンツかつもしかしたら説得できるかもしれないと思う人選だった。」
伊万里「でも駄目だった」
魁人「言葉を選ぶのと空気を読みなさい」
雲水「構わんさ、事実だ。こっちもこっちだが向こうも雁首そろえて居やがった。天を筆頭に蒋、龍剄を使う奴が数人名前は知らんが王蟲(オーム)とか泡翠(ラザー)とか呼ばれてたのは確かだ。それと……どうやったのか他の十神将から何人も引きぬいてやがった。」
伊万里「他のって……」
雲水「もちろんオレの所からもだ。アレにゃおどれーたぜ。天の恐ろしいところのひとつともいえるな実際に新十神将を作りつつあった。オレらが少数で来ることも読んでたんだろうな。多勢に無勢。」
魁人「それでも勝った」
雲水「おう。いくら優秀なのを引きぬけてても一流まではいかない発展途上の奴らばっかりだ其処らの奴らはどうにでもできた。だが、天と蒋はさすがに手ごわかった。道玄と神姫嬢とオレが天を、蒋には天馬と息子が当たった。夜見の奴は発展途上組の処断だ。」
伊万里「三体一や二対一で同等だったんスか?」
雲水「まさか、こっちが明らかに上回っていた。あの時はな、そういうやり方をしても潰さなきゃならんかったんだ。始まれば終わりが有る。天はついに撤退の命を出した。しかし、大抵の奴らは夜見に壊されていた。二度と握手出来なくなったヤツも居れば固形物を食えなくなる奴も居たな。最終的に逃げたのは天を含む四名だ。」
伊万里「天は逃げ切ったのか…」
雲水「いいや。それは違う。ただで逃がすわけがないオレと道玄で武道家としての生命は断った。両足の腱だ。百歩譲っても二度と自分の足では歩けなくした。」
伊万里「えっ、けど……」
雲水「まぁ、最後まで聞け。両足を壊したところでオレも道玄も相当負傷していたが勝ちはした。だが、道玄は最後の力で天を殺すつもりだったんだろうな渾身の力での貫手。見事に心の臓腑を穿った……蒋のな。」
伊万里「……」
魁人「……」
雲水「息子と天馬は蒋を押さえつけていた。だが、死に物狂いで振り払い天の盾になった。貫かれて確実に死ぬことを分かってなお道玄を押さえつけながらオレらを牽制する蒋をどうにかする何て誰にもできなかった。天はその間に逃げのびた奴らが回収した。道玄は天馬に当然謝罪をした。天馬は怒りも恨みも言わずただ「この男は息子じゃない。何か取り返しがつかなくなる前に止めてくれたことを感謝する」とな。だから天馬のところの長男は居なかった事になってる。っーか、今の息子が長男だ。これが全てだ。この戦いで十神将も天も深い傷を受け全て終わったはずだった……が、また天が行動し始めている。なんて事を聞いたら危惧するだろ?」
伊万里「そりゃ……え、けど、待ってください。天は足を壊されて自分じゃ歩けない身体になってるんでしょ?普通に行動してるってのはどういうことですか?」
雲水「そこがオレも信じれんのだ。もしかしたら天と名乗っているだけで天じゃないとも、オレは思ってる。何にしても分からないことと不合点が多過ぎるんだ今の状況は」
魁人「仮に……何らかの手で足が治っていたうえで本物の天だっとしたら?」
雲水「少なくともオレと道玄は動かざる得ないだろうな」