ー日常ー街の住人達【2】

ー池袋界隈ー

窈「弱ったなぁ。このままだと無駄に休日を潰してしまう」

熊彦「まぁ、休日なんてそんなもんじゃね?」

窈「今からでもなにかしにいこうか」

熊彦「何かって何するんだよ」

窈「……熊彦君は普段休日ってなにしてる?」

熊彦「ツレとゲームとか野球とかボーリングだな。フットサルとかもしたことあっけど。あと定番のカラオケ」

窈「んー……ふたりでするのはさびしいよな」

熊彦「そうか?」

窈「そういうのはやっぱり大人数でやりたいじゃん」

熊彦「変な拘りあるんだな」

窈「いや、そりゃ、ちゃんと野球なりフットサルなりでチーム揃えてってところまでは拘らないけど」

熊彦「そもそも、アンタは普段休日なにしてるんだよ」

窈「…………筋トレ?」

熊彦「たまになんか痛いなアンタも」

窈「いや、そりゃ細々とすることはあるんだけど……休日になると身体を休めたいっていうのが前に出てきちゃうんだよな」

熊彦「あー、それはそれで分かる。っていうか……」

窈「アレ?」

熊彦「おい、無視か」

窈「おーい」

京「ん?」

窈「やあ、がりゅーちゃん」

京「……」
バッ

窈「なんで身構えられたの?!」

京「悠が窈に話しかけられたら気を付けろっていってたんだ。オンナヲクイモノニシテルからって」

窈「あっンの野郎……」

熊彦「周りから潰していくってこういうことをいうんだな」

窈「んっんん、それはいつもの悠の冗談だよ。俺は悪い奴じゃないよ?ねぇ」

熊彦「え、あ、そうだな。」

京「なんだ、冗談だったのか!」

熊彦「うわぁ……単純」

窈「素直って言うんだよ。彼女の場合」

京「ところで「オンナヲクイモノニシテル」ってなんなんだ?」

窈「あぁ、その意味も通じてなかった……。っていうか、知らなくてもいい事だよ」

京「?」

窈「そんなことより何してるの?」

京「服を買いに来てたんだ」

窈「へー、服かぁ。がりゅーちゃんも女の子なんだね。」

京「女だぞ?」

窈「そうじゃなくてね……。どんな服買ったの?」

京「この服だ」

窈「……ん?」

京「この服だ」

熊彦「普通のシャツと普通のパンツだな」

窈「あぁ、着替え用にもう一着ってことか……他には?」

京「これだけだぞ?」

窈「…………」

熊彦「それと同じのを何着も買ったのか?」

京「んっ、三着買った。そしたら家に帰った後、なんでか神姫姉に怒られたんだ。別の服も買ってこいってお金渡されて放り出されたんだ。どうしようかと困ってる」

窈「……まぁ、当然と言えば当然かな」

熊彦「男みたいな買い物の仕方だな」
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