ー日常ー街の住人達【2】

ー百目鬼相撲道場ー

道玄「……そうか」

『ええ、まぁ私も実際見たわけじゃないんですけどねぇ。船着き場でそういう風体のひとを見かけたってだなんで……』

道玄「……わかった。感謝する。」

『いえいえ、このくらいなら全然感謝されるほどのことでもないですよ。他の方々なんてもっと無茶難題を押し付けてきますからねぇ。』

道玄「余計な世話かも知れんが……あまり四方八方をかぎわまっているといつか痛い目にあうぞ」

『あっはっは、本当にそうですねぇ。ま、そうならないように肝に銘じて動きますよ。それじゃあ、また何かあれば連絡しますよ』

道玄「あぁ……」
ぴっ

雲水「眉間にシワ寄ってるぜ」

道玄「雲水。」

雲水「なんでぇ」

道玄「どうやら、奴が現れたらしい」

雲水「ヤツって……天か?」

道玄「あぁ、きっともう姿をくらましているだろうが……何かしていったのは確実だ」

雲水「ふーん……場所は?」

道玄「大江戸学園」

雲水「なるほど……狙いは小僧か」

道玄「儂もそう思う」

雲水「どうするよ?小僧に知らせるか?」

道玄「さっきから電話をしているがいっこうに繋がらん」

雲水「がははは、相変わらずだな!」

道玄「まったくだ……」

雲水「なら、どうする?向かうか?」

道玄「…………天がいないのなら。儂らが出張ることもない。だが、念のためだ誰かを向かわせておこうとは思う」

雲水「優しいのか優しくねぇのかハッキリしないなお前さんも」

道玄「さて……誰を向かわせるか……。」

雲水「姫嬢は?」

道玄「神はダメだ。神が動けば芋づるに京まで動く」

雲水「あぁ……まぁ、そら大変なことになるな色々と」

道玄「愛深きゆえに愛で貫く女だからな」

雲水「わりと余裕だな」

道玄「小僧は死にはしないだろうからな」

雲水「なら……あぁ、お前らはダメだぞ」

寅「……気づいてたのか」

雷太郎「……」

風太郎「……」

道玄「気づいてないと思ったのか」

寅「……まぁいい、問題が起きたんだろ。だったら俺が行く」

雲水「待て待て、お前らにはせっかくとびっきりの相手が来るように連絡してあるんだ。だから、しばらくはここにいろや」

寅「とびっきりの相手?」

雲水「がはははっ。」

寅「いや、話せよ」

道玄「とびっきりか……ふむ」

雲水「何か悪いこと思いついたか?」

道玄「ふんっ」

雷太郎「しかし、先生、道玄師」

風太郎「天殿の目的は一体?」

道玄「分からん」

雲水「コイツが分からんといっとるんだ、オレにはさっぱりだな、がははは」

寅「……俺だけ話に付いていけてないんだけどな」

道玄「九頭竜天……儂の息子がいて少々問題児だという話しだ」

寅「問題児って……」

道玄「小僧……悠と同じぐらいの問題児だ」

寅「それは大問題児だな檻の中にいれとけよ」

道玄「まったく……だな。儂の最大の罪で汚点だ」
1/100ページ
スキ