ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

スキュラ「授業はなさらないのですか?」

千世子「今は次に何のじゅぎょーをするか検討中なのだ。だから、スキュラちゃんも今のうちに皆と交友を深めて欲しいのだ。」

スキュラ「はぁ…。交友、ですか。」

摩耶「気になってたんだけど、ベヒモスちゃんて椅子に座れるの?」

ベヒモス「モス?」

摩耶「その尻尾って収納式じゃないよね?」

ベヒモス「座れるモス。ほら、こうやって……」
ストッ、ふるふる

悠「椅子の淵ぎりぎり座ってるっちゃ座ってるがほぼ空気椅子だな」

神姫「というか、尻尾置きね」

千世子「背もたれのない、椅子あるのだ。」

悠「理科室とかに置いてあるやつか。亘理」

亘理『はいよ。』
ズボッ

ベヒモス「ご迷惑かけるモス」

悠「いや、気に……」

サタン「気にしなくていいのだ!」

悠「お前が言うんかい!」

亘理『持ってきたよ』
ズボッ

悠「ご苦労さん。これに座ってみ」

ベヒモス「ありがとうモス。」

千世子「これで大丈夫なのだ。」

ベヒモス「きゃぁっ!」
グシャッ!

悠「……潰れたな」

摩耶「尻尾の重さに椅子が耐えきれなかった系かな」

神姫「考察より先に起こしてあげなさいよね。」
スッ
グッ
ベヒモス「あー、ビックリしたモス」

神姫「……これはなかなか重いわ。」

悠「椅子ひとつじゃダメだな」

亘理『二個持ってきたよ!』
ズボッ

千世子「早いのだ」

悠「摩耶、ロープある?」

摩耶「はい」

千世子「なんでロープ持ってるのだ?」

摩耶「嗜みかな」

悠「これで椅子の足を縛って……よし、オーケーこれなら潰れないだろ。」

千世子「座ってみるのだ。」

ベヒモス「失礼するモス」
スチャ

悠「……」

摩耶「……」

神姫「大丈夫なようね」

スキュラ「というか、座るときに椅子の足をベヒモスさんの尻尾で支えればよかったのでは?」

悠「……椅子にに座ってる時ぐらい楽な方がいいだろ?」

摩耶「とってつけたようなそれらしい理由」

ベヒモス「イイ座り心地モス。ありがとうモス!」

サタン「ハッハッハ、気にしなくていいのだ!」

悠「だから、お前がいうんかい!」

サタン「次は我にぴったりの豪華な椅子をよういするのだ!」

悠「しねーよ」

サタン「何でなのだ!我は魔王なのだ!」

摩耶「悠君頑張れ」

悠「おれぇ?!」
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