ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ひゅぅぅ……」
がたがた

摩耶「良かったじゃない。雪じゃなくて雨で」

悠「それにしても寒いぃぃ……」

亘理『でも、明日は雪っぽいよ?』

悠「…………」

神姫「モノリス、確率は?」

モノリス【⦅ゆきがふるかのうせいはひゃくぱーせんとです⦆】

悠「死刑宣告いただきました!」

雨「ていうか、天候まで予想できるの?」

モノリス【⦅いえ、いたってかがくてきこんきょです。せつめいしましょうか?⦆】

雨「遠慮しておくわ」

メフィスト「みなさーん、元気デスかー?」

悠「寒さで死にかけてるよ」

メフィスト「HAHAHA~。それはさて置いて、新しい住人のひとりがきまシたよ」

悠「あん?」

「失礼します」
『グルルル』
ズルル、ビチャ

悠「うわぉ……美人だけど」

摩耶「下半身はあれ魚……かな?」

神姫「腹部からは3列に並んだ犬の前半身が生えてるわね」

千世子「あ、スキュラなのだ!」

スキュラ「はい、スキュラです。このたびは魔界から人間と魔物の関係の発展を目指すため。そのためには人間の事を学ぶのが大事だと考えこちらでお世話になることを決めました。」

悠「めっちゃ礼儀正しい……」

メフィスト「すこーし固すぎるところがありマース。」

スキュラ「メフィストレス殿、それはどういう意味ですか?」

メフィスト「ということデ、皆さん仲良くしてあげてくださいデース」

悠「逃げたな」

千世子「よろしくなのだ。」

スキュラ「よろしくお願い致します。千世子殿」

千世子「あれ名前……」

スキュラ「こちらに居られる方のお名前は暗記しておきました」

亘理『ホントに真面目だ』

神姫「いいんだけど、その下半身と犬はそのままなの?椅子にも座れなさそうだけど」

スキュラ「いえ、最初なのでありのままの姿をお見せしただけです。ちゃんと人型に変化する術は学んでいます。」
ポンッ!

悠「あー……ん?」

スキュラ「どうですか?」
三つ首の犬『グルルル』

摩耶「その犬はお腹についてた……?」

スキュラ「この状態だと、私と分離して自我を持つのです。」

千世子「しかも尻尾が魚なのだ」

悠「変化っていうか分離だな」

神姫「その姿ではどのぐらいいられるの?」

スキュラ「維持し続けるのは最長で三時間くらいですね。10分くらい休憩を挟めばまた変化できます。」

悠「変化って体力食うんだな」

スキュラ「サイズの小さい服を無理やり着てるくらい窮屈です。」
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