ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「寒くて死んでしまうかもしれない」

神姫「今まで寒さで死んだことは?」

悠「まだない」

神姫「なら、死なないわよ」

千世子「軽く論破なのだ。」

悠「寒さで心が死ぬんだよ!」

摩耶「まぁ、悠君の場合は肉体はどうせ壊れないし、心を壊すほうが正解かもね」

悠「おれの繊細な心なんてちょっとしたことで壊れちゃうよ」

神姫「はんっ!」

悠「ものすっげぇ鼻で笑われた」

摩耶「蹴り飛ばされなくてよかったね」

悠「まったくだ!」

亘理『言わなきゃいいのに……』

悠「男には言わなきゃならない時がある。」

摩耶「悠君のそれは違うけどね」

悠「へへっ」

千世子「雪、うっすらと積もってきたのだ」

悠「ぐはっ!」

亘理『あ、倒れた』

摩耶「雪が積もるという言葉だけでこのダメージ」

悠「誰かおれを暖めてくれ。」

亘理『どうやって?』

悠「抱きしめるなり、もみほぐすなり」

神姫「ちょっと待ってて、石抱かせてあげるから。」

悠「やーめーてー」

亘理『抱きしめさせてもらってよよよろしいでしょうか!』

雨「やめなさいよ……」

摩耶「青春だねぇ」

千世子「違うと思うのだ」

摩耶「チョコちゃんは青春してる?」

千世子「ここに来てみんなとじゅぎょーするのが千世子の青春なのだ!!」

亘理『ちよちゃーん!』
だきっ!
千世子「わわっなのだ!」

悠「あれ、おれは?」

神姫「だから石抱かせてあげるわよ」

悠「もうほんとソレ勘弁してください」

千世子「まーや君は青春してるのだ?」

摩耶「もちろん!」

雨「そうなの?!」

摩耶「エンジョイしてるよ~。あっ」

悠「どした?」

摩耶「グラウンドを恋大根と骨犬が駆け回ってる」

悠「保冷してんのかな」

神姫「違う……いや、でも、違わないかしら」

摩耶「糖度は上がりそうだよね。」

冥「あ、みなさん。あったかいお汁粉はいかがですナ?」

亘理『わー!いただきまーす!』

悠「最近めっちゃ餡子食ってる気がする。」

神姫「糖尿」

悠「平気だし!」

冥「ついでに皆さん、お知らせがありますナ」

千世子「どしたのだ?」

冥「この校舎に新しい妖怪さんが来ることになりましたナ」

悠「性別は?」

亘理『ガブッ!』
悠「ぎゃー!」

摩耶「最初にそれを聞く悠君も悠君だし、即反応してかみつく渡里ちゃんも亘理ちゃんだね」
77/100ページ
スキ