ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

テケテケ「失礼する。」

悠「おっ、上半身妖怪」

テケテケ「テケテケだ。」

悠「知ってる」

花子『なぜ普通に挨拶ができないんだ…』

摩耶「お花さん」

花子『なんか背筋がゾッとする呼び方やめてい!』

亘理『どもです』

神姫「何か御用?トイレの芳香剤が欲しいとか?」

花子『若干バカにしているよな?』

悠「おれはバイオお部屋の空間きれいとかおススメ」

花子『芳香剤の話をやめろ!』

悠「消臭剤だ」

花子『うっさい!』

悠「ぴよこ、あんな風に怒りっぽくなったらダメだぞ」

千世子「はーいなのだ」

花子『こ・い・つ・らぁ～!』

悠「こ・う・て・い?」

摩耶「河馬人間」

悠「何気に馬鹿人間って閃きレベル高いんだよな」

摩耶「河馬人間ね」

悠「おっとと、間違った」

花子『話が分からない』

テケテケ「ロマンシングサガだろう」

悠「わかるのか!」

テケテケ「当然だ」

悠「おお、おれの中でお前の株が上がった」

花子『どんな上がり方だ』

神姫「考えるだけ時間の無駄よ」

亘理『はは…』

摩耶「そういえば悠君」

悠「なんだい、摩耶君」

摩耶「さっき廊下でラヴクラフトさんとすれ違ったよ」

悠「マジで?いっしょには来てなかったんだけどな」

神姫「野放しはやめなさいよ」

悠「野放しにしてるわけじゃないがアレを拘束するのは無理だろ」

摩耶「ホルマジオの瓶で」

悠「せめてエニグマの紙じゃないとなー」

摩耶「ブサイクさんに焼かれるんですね。わかります。」

悠「マジシャンズレッド、マジ許さねぇ」

ラヴクラフト「……」

悠「ハッ!?」

ラヴクラフト「……」

悠「いや、無言で背後に立って、無言のまま見つめるのやめてもらえませんかね」

ラヴクラフト「では、どうしろと?」

悠「いや、普通に話しかければいいと思うよ」

ラヴクラフト「……面倒、だ」

悠「おれも色んな人とかかわりを持っているがコイツのことが分からん」

神姫「そもそも人じゃないでしょ」

悠「でしたね」

摩耶「じゃあ、何か面白いことしてもらおう」

ラヴクラフト「面白い、こと……。こういうものはどうだ?」
スッ
キラキラ

亘理『極彩色に輝く……石?』

悠「それって宇宙からの色にでてきた他の生物の生命力を糧とする生き物じゃないよな」

ラヴクラフト「……」

摩耶「何も言わないね」

悠「とっととしまってくれ」

ラヴクラフト「ふ、む……」
スッ

神姫「やっぱり危ないわ」

千世子「危ないのだ…」