ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「あけましておめでとうございますなのだ。」

亘理『あけましておめでとう。』

悠「あけおめことよろー」

義鷹「……ああ」

神姫「ちゃんとしてるのとしてないのがよく分かるわね」

摩耶「わかりやすいね。」

悠「もう何十回といったからその言葉に飽きが来てるんだよ」

美兎「それより、お餅持って帰ってよ。まだまだまだまだまだあるんだから」

悠「美兎のついた餅は確かに旨いけど……いくらなんでもつきすぎじゃね?」

義鷹「一年のうっぷんをすべて餅つきにつぎ込むんだ。美兎は」

美兎「餅を叩き潰してるといいアイデアが浮かぶのよ」

摩耶「餅を叩き潰すって表現は初めて聞いた」

神姫「鏡餅を叩き割るのなら何度か見たことあるけどね」

テケテケ「失礼する」

悠「おー、ローアングラー」

テケテケ「新世界だぞ」

悠「マジか。でも下半身がないのがなぁ」

テケテケ「そこは己のテクニッ……」

花子『だ・ま・れ!』
ゴスッ!
テケテケ「頭を踏むのはやめたまえ」

千世子「花子さんたちも来てたのだ」

花子『冥さんに挨拶にな』

悠「おれには?」

花子『チッ……チッ』

悠「ワンテンポあけて二度目の舌打ちしやがった」

雨「されても仕方ない」

悠「ブルーレットおくだけと蠅やるから機嫌直せ」

「『そういうところにイラッとするんだよ!!』」

悠「ダブルで怒られた」

美兎「アンタら気短すぎ」

悠「もっといってやってくれ」

美兎「空気が読めてないのは事実よ」

悠「てへぺろ」

神姫「……」
コォォォ

悠「はい、そこ新年早々に巨大に氣を練らないでくれ」

冥「はーい、みなさん、お雑煮とお汁粉好きな方をどうぞですナ」

メフィスト「ついデにいいお酒がありマスよー。飲めない人はジュースもありマスよー。」

悠「普通の酒か?」

メフィスト「とうぜんデース。」

神姫「胡散臭いわね。」

摩耶「確かに」

千世子「怪しいのだ」

メフィスト「ふぁっ!?」

亘理『メフィ先生、信用がどん底ですね。』

義鷹「日ごろの行いのせいだろ」

メフィスト「聞こえマせーん!」

テケテケ「冥どの、今年もお世話になる。」

花子『お世話になります』

冥「同じ妖怪同士気軽に寄って下さいナ。そうそう、この近くの集合墓地に幽霊妖怪専門の茶屋ができてますナ」

花子『へー』

悠「ああ、あやかし屋に餅もっていってやれぱいいのに」

美兎「茶屋に餅持っていってどうすんのよ」
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