ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「誰かマジシャンズレッド出してくれ。寒い」

神姫「レッドバインド絞めてあげましょうか?」
ピシっ、ピシっ

悠「それ、レッドバインドちゃう、ただの縄や」

摩耶「レッドバインドは一回しか使われなかったね」

悠「縛る系はハーミットパープル役になったんだよ」


【ダビデ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。ユダヤ教の聖典である「旧約聖書」には様々な偉人が登場するが、形ある業績を残したという意味においては、ユダヤの王「ダビデ」に勝る人物はいないと思われる。ダビデはユダヤ教の聖地「エルサレム」を征服した英雄なのだ。そもそも「ダビデ」という名前自体が「司令官」「英雄」という意味を持つというから、まさに生まれながらにして英雄になることを約束された人物ともいえるのだ。」

摩耶「ハイエロファントの結界でもいいしね」

悠「半径20mのエメラルドスプラッシュ!」

亘理『壁に張り付いて死亡する』

悠「これが最後のエメラルドスプラッシュ……」

神姫「遠距離型のスタンド使いは死亡フラグつくのかしら」

千世子「もともと旅では羊飼いだったが、神の声を聞く予言者「サムエル」によって王の素質を見出され、王宮に使えるようになるのだ。ダビデの特技は竪琴と詩という芸術的なもので、おおいに王を楽しませたが、その真の才能は軍事にあったのだ。」

悠「ミスタは死んでないし」

摩耶「ナランチャは死んだよね。」

悠「まぁ、遠距離型は便利だしな。適度に処理される」

摩耶「ハーベストとか強すぎるって理由だったらしいしね。しげちーが殺されたの」

悠「おれもハーベストのスタンド欲しいわ」

千世子「ダビデは軍隊の指揮官として、また一人の戦士として非常に優秀だったのだ。ダビデはユダヤ人と敵対していたペリシテ人の勇者、巨人ゴリアテを倒したことで名をあげたのだ。ダビデの力を恐れて殺そうとした王を排除すると自ら王になり、敵対する民族を次々と征服。「イスラエル王国」を大国に成長させたのだ。このとき征服した都市「エルザレム」は、現在でもユダヤの聖地となっているのだ。」

摩耶「悠くんのスタンドは恋ちゃんでしょ」

悠「ダメじゃん、スタンドとして」

亘理『こ、幸運を呼べるじゃない』

悠「ポコロコのヘイヤーかよ」

摩耶「でも、あれ幸運を呼ぶわけじゃないんだよね。」

悠「ポコロコの背中を押すだけで実際はなんの効果もないらしいな」

千世子「なお余談だが、イスラエルの国旗にも使われている六芒星のマークは一般的に「ダビデの星」と呼ばれるのだ。そのルーツはダビデ王にあるといわれているが、実際にはもっと後になって生まれたマークだという説が有力なのだ。」

神姫「使い勝手ならソフト&ウェットでしょ」

悠「おれのシャボンは何かを奪う。柔らかく、濡れている」

摩耶「使い方さえ間違えなきゃ20th(トウェンティース)センチュリー・ボーイがいいんじゃないかな」

悠「無敵になれる系は考えるのをやめちゃうから」

千世子「戦場での旅では、部下から圧倒的な中世を受ける指揮官だったのだ。だが、意外なことに、王としてのダビデは内政の手腕に乏しく、勝手気ままで優柔不断だったのだ。そのため兵士ではない一般市民の信頼は得られていなかったようなのだ。」

亘理『っていうか、ひとついい?』

悠「なんじゃらほい?」

亘理『あと二日でクリスマスじゃない?』

摩耶「そだね」

亘理『ツリー欲しい!』

千世子「また、人格的にも理想の王様には程遠かったのだ。ダビデの人生を描いた「旧約聖書」の一部「サムエル記」には、ダビデの家臣の妻と不倫し、さらに夫を激戦地に送って殺してしまう物語が描かれている。」

悠「え、おれにいってんの?」

亘理『悠ちゃんにいってんの!』

悠「ツリーか……竹じゃダメかな」

摩耶「和風だね」

神姫「願い事を書いた短冊でも飾るのかしら」

亘理『それ、七夕!』

千世子「もちろん、この行為は神の怒りに触れたのだが、神は最終的にダビデを許しているのだ。これはダビデが素直で、自分の罪を食い改める精神を持っていたからなのだ。以上、ダビデのじゅぎょーだったのだ。」
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