ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(2/20/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

神姫「ふぅ…」

花描「寒い?」

神姫「少しね。」

花描「なら、上着貸すよ」

神姫「紳士的ね。けど、貸すならあっちに貸してあげて」

悠「さむ…しぬ…つらい…」

ゴシゴシゴシゴシ

摩耶「頑張れ~。頑張れ~。」

花描「あれは…放置で」

千世子「じゃあ、悠あんちんが凍るまえにじゅぎょーに入るのだ。」

【クレリック】
信仰心を魔力に転換する

悠「うぅ…マジに寒い。摩耶、膝に座らないか?」

摩耶「いいよ。よいしょ」

悠「あったけぇ」

神姫「なにしてるんだか」

千世子「クレリックを日本語に訳すと、一般には「聖職者」「僧侶」になるのだ。また「プリースト」もまったく同様に「聖職者」「僧侶」を表すのだ。」

悠「ボソボソ(さしずめおれは性職者かな)」

摩耶「今おっきくしないでよ?」

悠「多分平気」

神姫「違いはないの?」

千世子「クレリックとプリーストの違いをひと言で説明するなら「クレリック=プロテスタントの牧師」「プリースト=カトリックの神父」となるのだ。さらに詳細な両者の違いについては「プリースト」の時にじゅぎょーするとして、今回は聖職者の使う信仰魔法の特徴について紹介するのだ」

花描「風神録だな」

悠「信仰を集めるな」

千世子「厳密にいえば、クレリックは僧侶全体をあらわす言葉なのだ。クレリック全員が魔法を使えるとは限らないのだ。おそらく現実には、魔法の使えない僧侶のほうが大多数なのだ。」

悠「僧侶ならケアルくらいは使えないとな」

摩耶「ホイミだよ。」

花描「ヒールだろ」

神姫「ドレインじゃない?」

悠「それ、回復じゃなく吸収だから…」

千世子「なので、ここから先は「魔法の使えるクレリック」に限定した話しになるのだ。彼らの魔力の源泉は信仰心によって生み出されるものなのだ。これは「魔法を研究した結果、魔法が使えるようになるウィザード」や「生まれ持った素質によって魔法が使えるソーサラー」とはまた違った特徴なのだ。」

摩耶「つまり?」

千世子「クレリックやプリーストは、信仰心が深ければ深いほど強力な魔法が使えるのだ、ある意味「魔法の素質がなかろうが頭が悪かろうが、信心さえあれば魔法が使える」といえるのだ」

悠「多分おれは無理だな」

摩耶「信仰心ないもんね」

悠「まったく魔法と縁がない一般人が、短期間で強力な魔法を使えるようになる可能性があるとすれば、それはクレリックやプリーストの信仰魔法が近道なのだ。」

悠「信仰なら邪法じゃないかな?」

花描「邪神を信仰してるかもしれないぞ」

悠「目からまなこでた」

摩耶「目から目がでてるよ。」

千世子「こうした信仰魔法には、特有のデメリットもあるねだ。例えば、ウィザードの使う一般的な魔法であれば「巻物に書かれた呪文をそのまま読み上げ、精神集中すれば誰でも魔法が使える」といったメリットがあるのだ。クレリックの信仰魔法は、あくまで信仰心が無ければ発動しないのだ。したがって、信仰心を持たない人間が、巻物を読んでうわべだけの呪文を唱えても、信仰魔法は発動しないのだ。以上クレリックだったのだ。」
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