ー奇談ー學校へ行こう10
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「苦いのだ……」
悠「コーヒーだからな」
亘理『それでもブラックよく飲めるよね。』
摩耶「チョコバーあるよ」
千世子「くださいなのだ!」
摩耶「はい、どうぞ」
悠「おれに言わせたらよくチョコ食えるわ……」
【タリエル】
千世子「タリエルは、とりことロシアに挟まれた場所に位置する国「グルジア」の物語に登場する英雄なのだ。タリエルの物語は「豹皮の騎士」という英雄物語で語られており、その物語はグルジア国民のバイブル的存在になっているのだ。」
摩耶「チョコもたまに食べると美味しんだけどね」
悠「どうもチョコだけは苦手だ」
神姫「本当に他に苦手はないのね?
悠「……ワサビとしいたけと貝類」
亘理『けっこう多かった』
千世子「タリエルは恋口髭と黒いまつげが特徴的な青年なのだ。豹の皮でできた服と、同じく豹柄のターバン、そして女ものの腕輪を身に着け、常に黒毛のうまを従えているのだ。剣、弓や、鞭などの武器を操る無双の勇士であり、特に鞭は人間の腕よりも太く、ひとたび振るえば、人間の首を切断し、暑い胸板を切り裂いたというのだ。」
悠「人間だもの好き嫌いくらいあるさ」
摩耶「僕も実は豚の顔とかが苦手で」
雨「豚の顔って……」
神姫「まぁ、好んで食べる人も少ないと思うわ」
亘理『食べるの?!
千世子「タリエルは、本来インドの小国の王子だったのだ。自分の国を支配するお姫様と恋に落ちたタリエルだが、姫は他国の人間に誘拐されてしまうのだ。姫の息先も分からない現状に絶望したタリエルは精神を病んでしまうのだ。そしてタリエルは、姫の従者とあてもなく世界をさまよい、誰の声にも耳を貸さずにひたすら涙を流し続ける俳人になってしまったのだ。」
悠「豚足とかあるだろ」
亘理『いやいや、頭だよ!?』
亘理『沖縄だと普通よ』
悠「ヤギ汁とかな」
摩耶「あれは結構好き」
亘理『うわぉ……』
千世子「タリエルの心を救ったのは、同じように自国の姫とかなわぬ恋を追い求める青年、アラブの将軍『ア負担ディル』だったのだ。彼はタリエルの事情に共感し、自分の恋をなげうってタリエルに協力。みごと姫を救いだしたのだ「豹皮の騎士」は、ふたりの騎士の友情と騎士道精神の物語なのだ。」
神姫「うちの父もヤギ汁は好きといっていたわ」
悠「なんか分かる」
亘理『うひゃぁ……』
悠「おれはヤギとか豚よりワニの肉のが好みだな」
亘理『そしてワニと来た……』
千世子「「豹皮の騎士」は12~13世紀ごろ、日本でいえば鎌倉時代初期に、グルジアの詩人「ショタ・ルスタヴェリ」がグルジアの女王に捧げたものだというのだ。日本では「豹皮の勇士」「虎皮の騎士」などの題名で翻訳されているのだ。」
悠「クリスマスはチキンじゃなくてワニで行こうかと思ってる。ひとり一足」
摩耶「多分、気にしない側と激怒する側に分かれるだろうね」
悠「激怒するかな」
摩耶「特に恋ちゃんが」
悠「恋ならいいや」
亘理『やめたげてよぉ!』
千世子「この作品の特徴は、登場人物があまりに激しい感情表現にあるのだ。ア負担ディルが故郷に別れを告げれば国民全員が涙を流し、タリエルに至っては、姫の悲しい思い出を語れば気絶し、囚われの姫から手紙をもらった時は、衝撃の余りショック死している(その後、ライオンの血を浴びてタリエルは生き返る)。以上、タリエルのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「苦いのだ……」
悠「コーヒーだからな」
亘理『それでもブラックよく飲めるよね。』
摩耶「チョコバーあるよ」
千世子「くださいなのだ!」
摩耶「はい、どうぞ」
悠「おれに言わせたらよくチョコ食えるわ……」
【タリエル】
千世子「タリエルは、とりことロシアに挟まれた場所に位置する国「グルジア」の物語に登場する英雄なのだ。タリエルの物語は「豹皮の騎士」という英雄物語で語られており、その物語はグルジア国民のバイブル的存在になっているのだ。」
摩耶「チョコもたまに食べると美味しんだけどね」
悠「どうもチョコだけは苦手だ」
神姫「本当に他に苦手はないのね?
悠「……ワサビとしいたけと貝類」
亘理『けっこう多かった』
千世子「タリエルは恋口髭と黒いまつげが特徴的な青年なのだ。豹の皮でできた服と、同じく豹柄のターバン、そして女ものの腕輪を身に着け、常に黒毛のうまを従えているのだ。剣、弓や、鞭などの武器を操る無双の勇士であり、特に鞭は人間の腕よりも太く、ひとたび振るえば、人間の首を切断し、暑い胸板を切り裂いたというのだ。」
悠「人間だもの好き嫌いくらいあるさ」
摩耶「僕も実は豚の顔とかが苦手で」
雨「豚の顔って……」
神姫「まぁ、好んで食べる人も少ないと思うわ」
亘理『食べるの?!
千世子「タリエルは、本来インドの小国の王子だったのだ。自分の国を支配するお姫様と恋に落ちたタリエルだが、姫は他国の人間に誘拐されてしまうのだ。姫の息先も分からない現状に絶望したタリエルは精神を病んでしまうのだ。そしてタリエルは、姫の従者とあてもなく世界をさまよい、誰の声にも耳を貸さずにひたすら涙を流し続ける俳人になってしまったのだ。」
悠「豚足とかあるだろ」
亘理『いやいや、頭だよ!?』
亘理『沖縄だと普通よ』
悠「ヤギ汁とかな」
摩耶「あれは結構好き」
亘理『うわぉ……』
千世子「タリエルの心を救ったのは、同じように自国の姫とかなわぬ恋を追い求める青年、アラブの将軍『ア負担ディル』だったのだ。彼はタリエルの事情に共感し、自分の恋をなげうってタリエルに協力。みごと姫を救いだしたのだ「豹皮の騎士」は、ふたりの騎士の友情と騎士道精神の物語なのだ。」
神姫「うちの父もヤギ汁は好きといっていたわ」
悠「なんか分かる」
亘理『うひゃぁ……』
悠「おれはヤギとか豚よりワニの肉のが好みだな」
亘理『そしてワニと来た……』
千世子「「豹皮の騎士」は12~13世紀ごろ、日本でいえば鎌倉時代初期に、グルジアの詩人「ショタ・ルスタヴェリ」がグルジアの女王に捧げたものだというのだ。日本では「豹皮の勇士」「虎皮の騎士」などの題名で翻訳されているのだ。」
悠「クリスマスはチキンじゃなくてワニで行こうかと思ってる。ひとり一足」
摩耶「多分、気にしない側と激怒する側に分かれるだろうね」
悠「激怒するかな」
摩耶「特に恋ちゃんが」
悠「恋ならいいや」
亘理『やめたげてよぉ!』
千世子「この作品の特徴は、登場人物があまりに激しい感情表現にあるのだ。ア負担ディルが故郷に別れを告げれば国民全員が涙を流し、タリエルに至っては、姫の悲しい思い出を語れば気絶し、囚われの姫から手紙をもらった時は、衝撃の余りショック死している(その後、ライオンの血を浴びてタリエルは生き返る)。以上、タリエルのじゅぎょーだったのだ。」