ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「モンハンX発売まであと役一週間か」

摩耶「ああ、買うんだ」

悠「昨日体験版やったんだが……ゴッドイーターしすぎてかなり下手になってたわ」

亘理『真アクションどう?』

悠「双剣でのエリアルが愉しい。逆にブシドーは全スタイル通じてあんまり使えない。さらにいうとおれは今まで通りのギルドスタイルがいいわ」

摩耶「新要素全否定」

【ヤン3世ソビエスキ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。日本人が徳河幕府の元で平和を謳歌した17世紀後半、東欧のポーランドはピンチだったのだ。内部は貴族たちの権力争いで内戦寸前、外では戦争に負けて莫大な税金を要求されていたのだ。」

神姫「ニャンヤターは?」

悠「アレは……なんだろうな。ネタかな」

摩耶「使えないの?」

悠「採取アイテム溜めるときはにゃんたーでいいかもしれない。ピッケルとか自前だし」

亘理『ほーほー』

千世子「こんな危機的状況で英雄に祭り上げられた人物がヤン・ソビエスキ将軍なのだ。ソビエスキは劣悪な状況で一度だけ劇的な大勝利を手にし、その功績から、選挙によってポーランドの国王に選ばれた英雄なのだ。」

悠「新モンスターだけどドスなんたらは適当でいい。フクロウはライトボウガンで蜂の巣にできた。めっちゃトロい。」

摩耶「まぁ、フクロウだしね。」

神姫「眠りと混乱だっけ?」

悠「ヒプノックのが強かった気がする。」

亘理『新モンスターすら否定』

千世子「17世紀後半、ヨーロッパでもっとも強力な国は、トルコを本拠地とするイスラム教国「オスマン帝国』だったのだ。14世紀から拡大を続けていたオスマン帝国はこの時点で、ギリシャ、セルビアなどの「バルカン半島」を完全に支配下に置いており、さらに北上してポーランドやオーストラリア音更にはその先を狙っていたのだ。ヨーロッパのキリスト教国にとって、オスマン帝国は共通の脅威だったのだ。」

悠「否定するわけじゃない。状態異常持ちのイャンクック程度という話だ。ただ……」

神姫「ただ?」

悠「フクロウだから首が180度回るのがキモイ」

摩耶「マジ?」

悠「マジだ。後ろに逃げてたらグリッンて回ってキモかった」

千世子「王になったソビエスキは、その後もオスマン帝国とたたかい、数々の勝利を手にしたのだ。その実績からソビエスキはオーストラリア・ドイツ・ポーランドの連合軍の最高司令官となり、オーストラリアの首都「ウィーン」を攻撃していたオスマン帝国を撃退。これ以降オスマン帝国の領土拡大はピタリと止まったのだ。ソビエスキは、イスラム教徒からヨーロッパを守った、キリスト教徒共通の英雄となったのだ。」

神姫「虫棒は?」

悠「すっげー飛ぶ」

摩耶「雑な説明」

悠「おれ実は虫棒下手なんだよ。」

亘理『オールマイティなのに?』

悠「いや、もう最近は武器とか得意なのしか使わなくなってきてる。序盤ハンマーで弾かれだしたらガンス」

千世子「余談だがこの時、ウィーンに住んでたユダヤ人が、ソビエスキに感謝してユダヤ独特のパンを献上しているのだ。そのパンはソビエスキ騎士団にちなんで騎手が足をかける「あぶみ(beugel)」のようにドーナツの形をしていたのだ。これが世界中に広まり、現在我々もよくしるパン「ベーグル」になったといわれているのだ。」

亘理『ガンスって切れ味良かったっけ?』

神姫「砲撃があるでしょ」

亘理『ああ、あのひとが吹っ飛んでくやつね』

悠「亘理はガンス禁止だな」

亘理『だってあたるんだもん!』

千世子「ソビエスキは外国では人気があったが、国内での評判は良くなかったのだ。貴族たちは大きすぎる名声を得たソビエスキをねたんだのだ。オスマン帝国との戦争に全力を統治過ぎたため、ヨーロッパ各国との外交に失敗したのも痛かったのだ。既に衰退しつつあったポーランドはソビエスキの死後完全に力を失い、ソビエスキの軍事的成功は東の大国ポーランドの最後の輝きとなったのだ。以上、ヤン3世ソビエスキのじゅぎょーだったのだ。」
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