ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

花子『……』

悠「おや、あのおかっぱ頭は……トイレさん!」

花子『花子だボケェ!』

悠「おれの想定以上に怒られた」

千世子「トイレさんはないのだ」

摩耶「あだ名だとしたら名字は御手洗の可能性が高いね」

神姫「有りねるわね。」

花子『あのなぁ~…』

悠「まぁ、そう怒らないでくれ。ほら、トイレの芳香剤あげるから」

千世子「なんでそんなもの持ってるのだ?」

悠「家のが切れてたから、ここくる途中に買っておいた」

花子『そんなもの……ハッ!それいいやつじゃないの!』

神姫「いいやつなの?」

悠「いや、普通に売ってるものだけど」

花子『うちの学校が使ってるのは安っぽくて無駄に臭いがきついモノなのよ。旧校舎だからって舐めてるわよね。』

神姫「旧校舎にも置かれてるだけマシじゃないの?」

花子『くっ……』

千世子「でも、花子さんが出るトイレなんて使われるのだ?」

花子『そりゃ、使われてるわよ……極まれに』

神姫「それで子供を驚かしてトイレにトラウマを植え付けている、と」

花子『とても引っかかるいい方ね』

神姫「失礼」

千世子「それで何しに来たのだ?」

花子『冥さんと話しによ。そしたら途中で彼女と会って話してたの』

亘理『うん、色々お話してたよ』

悠「ほう、最近のトイレの発展についてとか?」

花子『トイレの話しかしないと思うなよ!』

神姫「トイレの発展は凄いけどね。」

亘理『そうなの?』

摩耶「最近だとウォシュレットは当然、消臭、消音、自動洗浄……」

千世子「うちの学校のトイレもそんな感じなのだ。」

亘理『トイレ革命?!』

悠「おれはあのウォシュレットって苦手だけどな……ただ、男子トイレも全室個室にしたらいいと思ってる。」

摩耶「あー、確かに小便器取り除いたら三つくらい作れるもんね。」

亘理『個室がいいの?』

悠「ぶっちゃけおっさんと肩並べてやるよりは個室で落ち着いてするほうがイイ」

摩耶「ねー」

千世子「男子トイレ事情もいろいろなのだ」

花子『だから何でトイレの話で盛り上がるのよ…』

悠「花子さんも混ざっていいよ」

摩耶「プロフェッショナルトークを」

花子『誰がトイレのプロフェッショナルだ!』
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