ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『スサノオ二人とか無理!!』

悠「スナイパーで狙撃しろって……」

亘理『私はアクションは接近武器でガスガスやりたいの!!』

神姫「脳筋ね」

摩耶「脳筋だね。」

悠「まぁ、気持ちは分かる。アクションは□連打だ」

【ジークフリート&シグルズ】

千世子「はいはい、じゅぎょーしますなのだ。ヨーロッパ中央に位置する国、ドイツ。フランスやイギリスと同様に長い歴史を持つ子の国には、もちろん世界的に有名な英雄がいるのだ。日本の鎌倉時代に当たる13世紀初頭にまとめられた英雄物語「ニーベルゲンの歌」や、オペラ「ニーベルゲンの指輪」の主人公であるジークフリートなのだ。」

悠「ああ、ニーベルの指輪ね。モンスターの巣で拾える」

神姫「魔力+1とかいう不用品」

悠「し、シルバーリングより使える!」

摩耶「一応ツッコむとそれロマサガ」

雨「はぁ…」

千世子「だが、意外なことにジークフリートが生まれた場所はドイツではないのだ。ジークフリードは、現在ではドイツの隣国であるオランダやベルギーがある地方「ネーデルランド」の王子として生まれたのだ。ジークフリートは少年時代から強力な戦士だったのだ。しかもジークフリートは、自分が退治した悪い竜の返り血を浴びたことで、どんな武器をも跳ね返す、甲羅のように硬い皮膚を手に入れているのだ。ただしこの時背中に木の葉が張り付いていたため背中の一部に血がかからず、この部分だけは普通の人間と変わらず、柔らかいままになっているのだ。」

亘理『私アクションダメなのかなぁ。格ゲーなら得意なのに』

悠「おれは逆だな」

摩耶「悠くんが本当に得意なのはピクロスでしょ」

悠「…………うん」

神姫「その間は何よ」

千世子「武器には葵宝玉がはめ込まれた金色の剣『バルムンク』。更に、姿を隠すことのできる魔法の隠れ蓑を持っており、この二つを使って魔物退治、恋のキューピッド役など様々な活躍を見せたのだ。」

悠「いや、やりだしたら本当にずーーーーっとやってるのはピクロスで間違ってないかもと思ってさ」

神姫「ルービックキューブでもあげましょうか?」

悠「いっぱい持ってる」

亘理『いっぱい?』

悠「2×2、3×3、4×4、5×5のルービックキューブとジョジョの奇妙のキューブ Part1.ファントムブラッドジョジョの奇妙なキューブ Part1.ファントムブラッド、ジョジョの奇妙なキューブ Part2.戦闘潮流とジョジョの奇妙なキューブ Part3.スターダストクルセイダースをもってる」

亘理『ここでもジョジョ』

千世子「性格は子供の頃から粗暴で、他国の兵士といざこざを起こすなどのトラブルが耐えなかったのだ。また、欲しいものは力で奪い取るという価値観の持ち主なのだ。彼の武器であるバルムンクや隠れ蓑も、本来の持ち主から力ずくで奪ったものなのだ。」

悠「飾っててもきれいだぞ」

摩耶「ていうか、使えないよね」

悠「まぁな」

神姫「コップとかも飾っておくの?」

悠「あ、いや、おれそういうのはガンガン使う」

千世子「自己中心的で粗暴なジークフリートが英雄と呼ばれる理由には、ジークフリートの伝説を伝えた「ゲルマン民族」の考える英雄像が関係しているのだ。ジークフリートの伝説が生まれたといわれる5世紀ごろのゲルマン民族は、正義の戦士ではなく「冒険をするもの」「力が強いもの」「欲しいものを力付くで獲得す者」を英雄と考えていたのだ。当時のゲルマン人は豊かな国にしばしば略奪戦争を仕掛ける戦闘的な民族であり、敵から多くの財宝を奪うモノこそ嘉瀬民族の英雄だったのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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