ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『そう……いえばっ!あの、コカトリス!どうっ!なったの?』

悠「めっちゃ身体動いてるぞ。」

摩耶「アクションゲームでこれだとレースゲームだとすっごいことになりそうだね。」

亘理『砲撃が当たるーーー!』

悠「ちなみにコカトリスは鋭意ゆうなが生育中だ」

【クリスチャン4世】

千世子「はいはい、じゅぎょーしますなのだ。デンマークでもっとも有名で、人気ある王といえばクリスチャン4世なのだ。クリスチャンは何千通という書簡と多くの肖像画を残し、国民的な戯曲にも登場するのだ。そしてデンマークには国家が二つあるが、その一つはクリスチャンの戦場での奮闘を描いたものだというから、デンマークの国民がこの王をそれだけ尊敬しているのがよく分かるのだ。」

神姫「石化てきなことはしたの?」

悠「いいや。普通に鳥そのものだ。」

摩耶「鳥って平気なの?」

悠「ん?」

摩耶「マリオ」

悠「ああ、一回襲われかけてたけど大丈夫だった」

神姫「ああ、だから腕にえらいひっかき傷があるのね」

千世子「クリスチャンは内政にも軍事にも熱心な国王だったのだ。内政面では特に建築に力を入れ「建築王」の異名を持つのだ。クリスチャンが建てさせた建築物には、クリスチャン本人が図面を引いたものも複数あるのだ。また、産業の革命にも力を入れ、デンマークを近代国家に生まれ変わらせようと努力したのだ。」

悠「わが身を盾に」

摩耶「カッコいい、カッコいい」

雨「はんっ」

悠「おい、誰か屁をこいたな」

雨「鼻で笑ったのよ!!」

悠「おおっ、失敬失敬」

雨「む、ムカつく…」

千世子「軍事的にはヨーロッパ本土の北東にある大きな港「バルト海』の覇権を競って、北欧のスウェーデン、大陸のドイツと競ったのだ。スウェーデンとの開戦では甲板に立って兵士を鼓舞し続け、兵士たちの士気を高めたのだ。この戦闘でクリスチャンの勘が砲撃を受け、飛び散った木の破片で片目を失明したのだが、クリスチャンはその場で応急処置を受けると、そのまま甲板の上で指揮を取り続けたのだ。危険を顧みず国のために戦う王の姿はその後も語り継がれ、デンマーク国民が最も敬愛する国王は、今でもクリスチャン4世なのだ。」

亘理『コカトリスってどれくらい大きくなるのかな』

悠「さー……まぁ、できればバロン程度で済んでほしい」

摩耶「バロンも相当大きいけどね」

亘理『怖がらないの?』

悠「ゆうなは大きい生き物が好きだからなぁ。ついでにまだまだ召喚本で増やすつもりっぽいし」

神姫「魔物屋敷になるわよ」

悠「本当のモンスターハウスか……笑えない」

千世子「これまでクリスチャン4世の良いところを紹介してきたが、実はこの王は英雄といえるほど傑出した人物ではないのだ。戦争には負け越して領土を多く失ったし、戦争による財政悪化のせいで、経済政策を強力に進めることもできなかったのだ。しかし当時のデンマーク国民はクリスチャン4世を指示したのだ。デンマークが弱くなったのは自己中心的な貴族のせいであり、国民はそれに抵抗して国を守ろうとしたと考えたのだ。英雄は、勝利や悲劇的な市以外からも生まれるのだ。以上、クリスチャン4世のじゅぎょーだったのだ。」
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