ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

メフィスト「タカナシさーん、悠さーん!」

悠「……」

摩耶「文字通り悪魔が呼んでるよ」

悠「嫌な予感しかしねぇ」

メフィスト「ムフフ」

神姫「嫌な予感しかしないわねぇ」

千世子「めちゃめちゃ笑ってるのだ」

悠「……なんだ?」

メフィスト「これ、差し上げマース!」
サッ
悠「あー?」

千世子「……卵?」

亘理『卵だね。パック入りの』

悠「おい、メフィス……居ないし」

神姫「ただの卵と思う?」

摩耶「全然」

雨「でしょうね。」

悠「こういう時は物質鑑定システムモノリス!」

モノリス【⦅まりょくさえあればすりーでぃーぷりんともできます⦆】

千世子「すごいのだ!」

悠「3Dプリントができるようになったらうちに連れて帰ってやるよ」

摩耶「悪用する気満々だね」

悠「し、しねーよ?」

神姫「それでその卵は?」

モノリス【⦅これはまもののたまごですね⦆】

亘理『魔物の?!』

モノリス【⦅ただしこどもむけのおもちゃみたいなものですが⦆】

悠「どういうことだ?」

モノリス【⦅わってみてください。そしたらわかります。⦆】

悠「ふむ……摩耶」

摩耶「悠くんが割らないとね。」

悠「アッハイ。……てゐ!」
びきっ…パカッ!!
びちゃっ!

亘理『わっ?!』

千世子「あんちんの顔になんかへばりついたのだ!」

悠「…………」

神姫「スライム?」

悠「……甘い」

摩耶「甘い?くんくん……なんだろう、ゼリーみたいな匂い?」

モノリス【⦅すらいむぜりーですね。いろからしておれんじあじでしょう。⦆】

千世子「お菓子なのだ?」

モノリス【おかしのもんすたーです。まかいでこどもににんきのものですね】

摩耶「へー、でも、お菓子だけど……生きてるよね?」

悠「じゅるるる……」

千世子「自分から口の中に滑り込んでいってるのだ……。」

モノリス【⦅ああやってじぶんからたべられにいくものもあれば、ものすごいいきおいでとけたり、かたまったりといろいろでてきます⦆】

神姫「身体に悪そうね」

モノリス【⦅おかしですからだいじょうぶですよ。しかも、ごくまれにですがれあなもんすたーもででくるらしいです。⦆】

悠「ごくん……うー、胸やけしそうだ。」

摩耶「ジョッキ一杯分くらいのゼリー飲んだわけだしね。」

雨「っていうか、明らかに卵のサイズ越えてたわよね。」

亘理『なんでメフィ先生はこんなものを悠ちゃんに?』

モノリス【⦅これはあくまでわたしのすいそくですが、おそろくめふぃすとれすさまはれあなまものをてにいれおわったのであまったものをおいていったのではないかと⦆】

摩耶「食玩とかのお菓子と同じだね」
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