ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ストーブだそう」

神姫「まだ不要でしょ」

悠「悠君は必要だと思うのです」

神姫「……」
ベキッ!

悠「……」

千世子「神姫姉のボールペンがへし折れたのだ」

神姫「これ気にいってたのよねぇ……。」

悠「あれ?!なんかおれが悪い雰囲気!!」

摩耶「まぁ、六割、七割が悠くんが原因かな」

悠「あるぇっ??!」

亘理『高そうなボールペンですけどいくらぐらいの?』

神姫「マイスターシュテュックプラチナラインクラシック」

亘理『へ?』

悠「35300円の?!」

亘理『35300円?!』

千世子「そんなボールペンあるのだ?」

摩耶「あるよ。モンブラン製のブランドもの」

神姫「まぁ、嘘だけどね」

悠「ホッとした」

神姫「これはただのフォーインワンよ」

悠「それでも高いじゃん!」

神姫「お手頃よ。」

千世子「いくらなのだ?」

摩耶「確か4100円くらい」

亘理『わぁ……それでもボールペンにしたら高級品』

神姫「使いやすいのよ。これ」
スッ

悠「もう一本持ってる!?」

神姫「私は自分で使う上で気に入ったものには妥協しないの」

千世子「そんな良いものなのだ?」

亘理『モノリンわかる?』

モノリス【⦅ふくごうぺんのじょうしきをかえるすりむかつしんぷるなぼでぃ。ほそみのぼでぃによっつのしんをとうさいしたふくごうぺん。つかいたいぺんしんのいんをうえにむけてのっくするともくてきのしんがでる、「べんでゅらむ・ぐらびてぃしすてむ」をさいようのいっぴんです。⦆】

千世子「ホントに何でもも知ってるのだ」

神姫「それより私はその前に引っかかったわ」

悠「おれも」

亘理『え、なに?』

神姫「モノリンってなに?」

千世子「モノリスのあだ名なのだ!」

亘理『モノリン!』

モノリス【⦅ものりんです⦆】

摩耶「本人は納得してるんだ」

悠「ずいぶん馴染んでるな、おい」

モノリス【⦅おかげさまで、あとはあかれこにのればかんぺきですね。⦆】

悠「おー、メタいメタい」

神姫「ちなみに他に不満や望みは?」

モノリス【⦅そうですね。さいきんよるになるとわたしにくものすをはろうとするくもがいることがふまんですね。⦆】

悠「雨……」

雨「私じゃないわよ!」
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