ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(2/17/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「ここも参考資料が増えてきたな。あの本棚パンパンだぞ。」

摩耶「千世子ちゃんの私物だよね?」

千世子「そうなのだ。けど、あっちのは違うのだ」

花描「このジャンプとかか?」

悠「すまん。あれはおれだ」

千世子「千世子も読んでるからいいのだ」

悠「よっしゃ。っか、今週号を奪われたままなんだが」

神姫「……(今週のマジコも面白い)」

千世子「漫画もいいけどじゅぎょーを始めるのだ。」

悠「へーい」

神姫「もう少し借りるわね」

千世子「さで、実は地味だったウィッチの魔法。ウィッチのつかうインプについても実は「ウィッチがインプを利用しているのではなく、インプがウィッチを監視しているだけだった」という説もあるくらいなのだ。」

摩耶「本当に地味だね。」

千世子「そうなのだ。ウィッチは「ホウキにのって空を飛ぶこと」以外は、毒薬の調合ぐらいしか能がなく、その他にはまともな魔法(一般人から見て確実にすごいと思えるような術)はほとんど使えなかったようなのだ。」

花描「この説を考えると魔理沙は結構すごい魔法使いなるよな」

悠「魔女でなく魔法使いだからかな。」

千世子「これはある意味「魔女の宅急便」に登場する魔女の描写そのものなのだ。キキもコキリも、さすがに疫病を流行らせるような反社会的なことはしないけど「薬の調合と空を飛ぶこと以外は大した魔法が使えない」といった点では、キリスト教のウィッチの特徴を再現しているといえるのだ」

摩耶「ジブリは魔法使いとかよく出るよね」

神姫「妖精とか妖怪もね」

悠「あ、朧車はネコバスの仲間って知ってたか?」

花描「朧車は妖怪だろ。一反木綿とかの仲間じゃね?」

悠「一反木綿は屋根ないだろ」

神姫「比較がおかしい。」

千世子「シェークスピアの「マクベス」に登場する三人の魔女や「ハウルの動く城」に登場するハウルは「悪魔との契約によって魔力を得る」「悪魔そのものを(インプのように)使役する」「空を飛ぶ」といった点で、これも中世のウィッチそのままの特徴を備えているのだ。けど、魔力そのものはかなり強力であるのだ」

摩耶「火の悪魔だったけ?」

悠「カルシファーな」

千世子「これに対し、1970年代に放映されたテレビドラマ「奥様は魔女」に登場するサマンサやアニメ「おジャ魔女どれみ」シリーズに登場する魔女は、いずれも「人間界とは別の世界から来た」という設定になっているため、ウィッチというよりほとんど精霊に近い存在となっているのだ。以上ウィッチのじゅぎょーだったのだ。」
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