ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「とりあえず、この本はおれが預かって娘にプレゼントしよう」

メフィスト「NO!」

摩耶「それはそれで危ない選択な気がする。」

神姫「ちなみにどっちの娘に渡す気?」

悠「ゆうな」

摩耶「危ないね」

神姫「危ないわね。」

悠「大丈夫だ、問題ない」

チシャ猫『おだやかな心は問題を解決する。怒りにふるえ、悲しみに打ちひしがれ、嫉妬狂った心は問題をますます混乱さる。問題の解決は心のおだやかなときにしなさい。』
すぅっ…

神姫「ジョセフマーフィー…」

千世子「はーい、ナポレオンのじゅぎょーの続きしますなのだ。ナポレオンは軍人としても優秀だったが、もうひとつ強力な武器を持っていたのだ。言葉なのだ。ナポレオンは心を奮い立たせる演説でひとの心を掴み、自分に従わせていたのだ。文章も中々のもので、将軍たちに手紙を送って協力を取り付けていたのだ。広報活動にも積極的で、軍の活躍を宣伝するために新聞を発行。それを呼んだ民衆は熱狂的にナポレオンを指示したのだ。」

亘理『ジョセフってだれ?』

悠「ジョジョの奇妙な冒険第二部の主人公だ。ジョセフジョースター」

亘理『そっちは知ってる』

モノリス【⦅せんざいいしきをりようした「まーふぃーのせいこうほうそく」のていしょうしゃとしてせかいてきにしられるぼくしが「じょせふまーふぃー」です。⦆】

摩耶「モノリス、便利」

神姫「便利ね」

千世子「言葉と文字を武器としたナポレオンだが、書く字は非常に汚かったのだ。新婚時代、ナポレオンは遠征先から妻ジョセフィーヌに何百通と手紙を送っているがその解読に大変苦労したほとんど返事を寄越さなかったというのだ。」

悠「ジョセフィーヌジョースター」

摩耶「「ジョ」がついたらなんでもジョースターを着けたらいいものではない」

悠「ジョルノジョバーノ」

摩耶「その悠君のしつこいところ嫌いじゃないよ」

悠「へへっ」

千世子「ナポレオンの正確には、子供っぽく無邪気な面があったと伝えられているのだ。妻ジョセフィーヌとの生活では、彼女に本を読んでもらいながら眠りにつくのが日課だったのだ。また、他人の耳を思い切り引っ張るという悪い癖があったのだ。この行為はナポレオン形の親愛の情の表現だったというが、停戦交渉に来た敵の将官の耳まで引っ張ったというから理解しがたいのだ。」

摩耶「まぁ、イラッとはするけど」

神姫「イラッとは常にするでしょ」

悠「なんでや!」

亘理『わ、私はそんなにはしないよ?』

モノリス【⦅そんなには、ということはたしょうはしている。⦆】

亘理『コホン』

千世子「しかしこの性格も悪いことばかりではなかったのだ。ナポレオンがセント・ヘレナに島流しになったとき、島民は「人食い鬼」が来たと恐れたのだ。この島は敵国イギリスの領土で、ナポレオンは多くの戦争を引き起こした独裁者なのだから、この反応も無理はないのだ。しかし、その人食い鬼は子供たちと鬼ごっこを楽しみ、動物の真似をして少女をからかい、下手な歌を聞かせる無邪気な人物だったのだ。監視役のイギリス人でさえ、ナポレオンは親しみやすい感じていたのだ。」

アリス『人食い鬼ですって』

チシャ猫『人を食った猫と呼ばれたことはある。』

亘理『あれも哲学者の?』

神姫「違うわね。」

悠「違うな」

摩耶「人を食ったって意味なら悠君もだけどね」

千世子「幼いころ母親の愛を十分に受けられなかったナポレオンは、常に母性的な愛を求める孤独な一面を持っていたのだ。皇帝や軍人としての地位も最愛の妻も失った彼は、人生の最後にやってきたこの島で、今一度子供に戻ることができたのだ。以上、ナポレオンのじゅぎょーだったのだ。」
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