ー奇談ー學校へ行こう10
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「それであのチシャ猫は安全なのだ?」
チシャ猫『安全か安全じゃないか個人で主観であって他人に聞いて正確な答えが返ってくるとは限らないよ。お嬢さん。』
千世子「一瞬にして移動したのだ!」
チシャ猫『私は何処にでもいるし、どこにも居ない。』
スゥッ
摩耶「消えたね」
悠「ダークなチシャ猫だな」
アリス『チシャ猫さんは何でも知ってるのよ。だけど、それを分かりやすくは伝えてくれないの。』
チシャ猫『賢者は、話すべきことがあるから口を開く。愚者は、話さずにはいられないから口を開く。』
神姫「プラトン?」
チシャ猫『ふふっ』
すぅっ…
摩耶「こうやって捕まえられない住人が増えていくんだね」
【ナポレオン・ボナパルト】
千世子「じゅぎょーしますなのだ。市民が国王を倒したフランス革命は、王制を敷く周囲のヨーロッパ諸国にとって脅威だったのだ。各国は革命政府を倒すためにフランスに戦争を仕掛け、弱体化したフランス軍は崩壊寸前まで追い込まれていたのだ。ここに颯爽と現れ、フランスを救い、ついには皇帝にまで上り詰めた軍人が、ナポレオン・ボナパルトなのだ。ナポレオンはフランス人にとっては九国の英雄、それ以外の人々には『ヨーロッパ統一の英雄』として知られているのだ。」
悠「とりあえず、アリス。その本を渡しなさい」
アリス『まだ、白うさぎとウミガメモドキと靴屋とビル・マクギルとトロールエルダーと……』
悠「そんなに出しちゃいけません!っか、何かアリスインナイトメアの住人が出てきそうだからやめて!」
アリス『じゃあ、死んでくれる?』
悠「クッキーやるよ」
アリス『はい、本は返すわ。クッキーを頂戴』
悠「はい、どうも」
亘理『素直だ』
千世子「ナポレオンは茶色がかった黒髪の持ち主で、身長が低かったといわれているのだ。地中海に浮かぶコルシカ島で地主の次男として生まれたのだ。フランス本土に渡って軍人となったナポレオンだが、故郷への仕送りのために貧乏な生活を送り、食事もろくに取っていなかったのだ。そのため身体生やせ、服装もみすぼらしかったというのだ。」
悠「さて、トラブルメーカー」
メフィスト「……」
悠「そこのガイゼル髭!お前だよ!」
メフィスト「ふぁっ?!」
悠「この本、危険極まりねぇじゃねぇか!」
メフィスト「そんなことないデースよ!そのサモンブックは子供のお遊び程度の召喚しか出来ないものデスよ!」
千世子「ナポレオンには財力はなかったが、自分を売り込む才能と、すさまじい集中力を持っていたのだ。貧乏な家族を救うために出世しようと、大臣に手紙を送って最前線に赴任。無能な上官を失脚させて敵陣に攻め込み、大きな戦果を挙げたのだ。最前線で指揮を取り、必要とあらば旗を握って突撃の先陣を切るナポレオンは、兵士だけでなく国民の絶大な人気を集めていたのだ。」
神姫「でも、チシャ猫は召喚されたわよ」
メフィスト「アリスの魔力ならただの紙に落書きしても召喚ぐらい出来マスよ」
悠「それはそれで大問題」
メフィスト「それだけマメじゃないのデ大丈夫デス」
悠「いい切ったな」
千世子「ここからナポレオンの快進撃が始まるのだ。まず国内の反乱を鎮圧するとイタリアを撃破してイタリア北部を領土に加え、無茶な命令を出した政府を倒して独裁者になると、ナポレオンはその後も他国との戦いに勝ち続けたのだ。苦戦しながらも敵国との停戦に成功したナポレオンは、ついにフランスの校庭に就任するのだ。」
亘理『子供用って言ったけど私でも召喚とかできるんですか?』
メフィスト「もちろんデス。召喚したいものを描いて念じれば召喚出来マース」
摩耶「へぇ。凄いね。」
神姫「召喚したものはどうすれば消えるの?」
メフィスト「普通なら一日程度デスネ。多分、アリスの出したチシャ猫は消えないデしょうけど……」
悠「っか、あの猫どこ行ったんだ」
チシャ猫『だが、皇帝となったナポレオンはしだいに戦争に勝てなくなっていく。人事や内政の失敗で国力が低下したうえ、前妻ジョセフィーヌの代わりに迎えた新妻への愛情で頭がいっぱいになったナポレオンはかつての集中力を失っていたのだ。』
千世子「千世子のじゅぎょーなのだ!」
チシャ猫『ふふっ、言葉の奴隷になるな』
神姫「トーマス=カーライル?」
悠「あのチシャ猫は哲学者の魂でももってるのか?」
モノリス【⦅びみょうにわたしときゃらかぶってますね。⦆】
悠「お前は板っていう強烈キャラ性があるだろ」
千世子「コホン、ナポレオンは戦場の状況を把握しないまま命令を出したため、フランス軍は大敗し、多くの兵士が命を落としたのだ。戦争に勝てないナポレオンは失脚し皇帝を退くのだ。その後フランスの危機に再び皇帝になったが、またも敗北により退位。太平洋の孤島「セント・ヘレナ」に流され、52歳の若さでこの世を去ったのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「それであのチシャ猫は安全なのだ?」
チシャ猫『安全か安全じゃないか個人で主観であって他人に聞いて正確な答えが返ってくるとは限らないよ。お嬢さん。』
千世子「一瞬にして移動したのだ!」
チシャ猫『私は何処にでもいるし、どこにも居ない。』
スゥッ
摩耶「消えたね」
悠「ダークなチシャ猫だな」
アリス『チシャ猫さんは何でも知ってるのよ。だけど、それを分かりやすくは伝えてくれないの。』
チシャ猫『賢者は、話すべきことがあるから口を開く。愚者は、話さずにはいられないから口を開く。』
神姫「プラトン?」
チシャ猫『ふふっ』
すぅっ…
摩耶「こうやって捕まえられない住人が増えていくんだね」
【ナポレオン・ボナパルト】
千世子「じゅぎょーしますなのだ。市民が国王を倒したフランス革命は、王制を敷く周囲のヨーロッパ諸国にとって脅威だったのだ。各国は革命政府を倒すためにフランスに戦争を仕掛け、弱体化したフランス軍は崩壊寸前まで追い込まれていたのだ。ここに颯爽と現れ、フランスを救い、ついには皇帝にまで上り詰めた軍人が、ナポレオン・ボナパルトなのだ。ナポレオンはフランス人にとっては九国の英雄、それ以外の人々には『ヨーロッパ統一の英雄』として知られているのだ。」
悠「とりあえず、アリス。その本を渡しなさい」
アリス『まだ、白うさぎとウミガメモドキと靴屋とビル・マクギルとトロールエルダーと……』
悠「そんなに出しちゃいけません!っか、何かアリスインナイトメアの住人が出てきそうだからやめて!」
アリス『じゃあ、死んでくれる?』
悠「クッキーやるよ」
アリス『はい、本は返すわ。クッキーを頂戴』
悠「はい、どうも」
亘理『素直だ』
千世子「ナポレオンは茶色がかった黒髪の持ち主で、身長が低かったといわれているのだ。地中海に浮かぶコルシカ島で地主の次男として生まれたのだ。フランス本土に渡って軍人となったナポレオンだが、故郷への仕送りのために貧乏な生活を送り、食事もろくに取っていなかったのだ。そのため身体生やせ、服装もみすぼらしかったというのだ。」
悠「さて、トラブルメーカー」
メフィスト「……」
悠「そこのガイゼル髭!お前だよ!」
メフィスト「ふぁっ?!」
悠「この本、危険極まりねぇじゃねぇか!」
メフィスト「そんなことないデースよ!そのサモンブックは子供のお遊び程度の召喚しか出来ないものデスよ!」
千世子「ナポレオンには財力はなかったが、自分を売り込む才能と、すさまじい集中力を持っていたのだ。貧乏な家族を救うために出世しようと、大臣に手紙を送って最前線に赴任。無能な上官を失脚させて敵陣に攻め込み、大きな戦果を挙げたのだ。最前線で指揮を取り、必要とあらば旗を握って突撃の先陣を切るナポレオンは、兵士だけでなく国民の絶大な人気を集めていたのだ。」
神姫「でも、チシャ猫は召喚されたわよ」
メフィスト「アリスの魔力ならただの紙に落書きしても召喚ぐらい出来マスよ」
悠「それはそれで大問題」
メフィスト「それだけマメじゃないのデ大丈夫デス」
悠「いい切ったな」
千世子「ここからナポレオンの快進撃が始まるのだ。まず国内の反乱を鎮圧するとイタリアを撃破してイタリア北部を領土に加え、無茶な命令を出した政府を倒して独裁者になると、ナポレオンはその後も他国との戦いに勝ち続けたのだ。苦戦しながらも敵国との停戦に成功したナポレオンは、ついにフランスの校庭に就任するのだ。」
亘理『子供用って言ったけど私でも召喚とかできるんですか?』
メフィスト「もちろんデス。召喚したいものを描いて念じれば召喚出来マース」
摩耶「へぇ。凄いね。」
神姫「召喚したものはどうすれば消えるの?」
メフィスト「普通なら一日程度デスネ。多分、アリスの出したチシャ猫は消えないデしょうけど……」
悠「っか、あの猫どこ行ったんだ」
チシャ猫『だが、皇帝となったナポレオンはしだいに戦争に勝てなくなっていく。人事や内政の失敗で国力が低下したうえ、前妻ジョセフィーヌの代わりに迎えた新妻への愛情で頭がいっぱいになったナポレオンはかつての集中力を失っていたのだ。』
千世子「千世子のじゅぎょーなのだ!」
チシャ猫『ふふっ、言葉の奴隷になるな』
神姫「トーマス=カーライル?」
悠「あのチシャ猫は哲学者の魂でももってるのか?」
モノリス【⦅びみょうにわたしときゃらかぶってますね。⦆】
悠「お前は板っていう強烈キャラ性があるだろ」
千世子「コホン、ナポレオンは戦場の状況を把握しないまま命令を出したため、フランス軍は大敗し、多くの兵士が命を落としたのだ。戦争に勝てないナポレオンは失脚し皇帝を退くのだ。その後フランスの危機に再び皇帝になったが、またも敗北により退位。太平洋の孤島「セント・ヘレナ」に流され、52歳の若さでこの世を去ったのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」