ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「この前、メフィさんとファミレスで会ったんだけどさ」

神姫「私も。二回目だわ」

悠「あのおっちゃんたびたびファミレスとか行くんだな……。」

モノリス【｟むしろにんげんにとけこんでいるだけであやかしのたぐいはにちじょうにひそんでいるのではないかとおもいます。｠】

恋「思うというのは確定ではないのかえ?」

モノリス【｟わたしはいえすまんではないのでじぶんのいけんはじっかりとこいいます。｠】

恋「板の癖にしっかりしておるんじゃな」

悠「お前だって板仲間だろ」

恋「どういう意味じゃ?あ?」
ゲシゲシ
悠「ぴよこはこんな大人モドキになるんじゃないぞ」

千世子「あんちん、足痛くないのだ?」

悠「脛を的確に蹴ってこられてるから痛いぞ」

神姫「事実をストレートに言うからダメなのよ」

摩耶「神姫さんもキツイねぇ」

亘理『あ、噂のメフィ先生が来たよ』

メフィスト「ハーイ!」

千世子「超笑顔なのだ」

メフィスト「ムフフ」

摩耶「あの笑い方は……危ないね」

メフィスト「実はこの前に手に入レた魔導書の解析が終わったのデース!」

悠「またモンスターハウスする気か?」

メフィスト「あんな些細な事故のことは忘レてくださーい!」

千世子「些細って言ったのだ」

モノリス【｟あれでもまかいではななつのだいざいにもまけずおとらずのだいあくまなんですよ｠】

悠「大罪レベル?!」

メフィスト「そんなことはどうデもいいのデース!」

摩耶「重要そうなことをどうでもいい発言」

メフィスト「そレよりも、この魔導書ヲ見てくださいデース」

神姫「見て大丈夫なの?」

メフィスト「もちろんデース」

神姫「……悠、見てみたら?」

悠「おれ?!」

摩耶「じゃあ、僕が」

千世子「千世子が見るのだ!」

悠「……じゃあ、お」

「「「どうぞどうぞ」」」

悠「まだいい切ってないよ!」

亘理『楽しそう』

モノリス【｟おいえげいというやつですね。｠】

恋「いや、違うじゃろ」

悠「ええい、男は度胸!」
バッ!

神姫「何が書いてあるの?」

悠「……白紙」

摩耶「ハクビシン?」

悠「いや、白紙」

メフィスト「その通りデス。この魔導書は自ら描きこむタイプの魔導書なのデース。」

悠「一見安全そうに見えてとてつもなく危険な気がする。燃やすか」
ポイ
摩耶「キャッチ＆ポイ」
ポイ
神姫「キャッチ……スローイング」
ブンッ!

メフィスト「NOOOO!!」

アリス『あら、なぁにこれ。』
パシッ

悠「しまったー!マズいのに手渡った!」

アリス『あら、このご本、何も書かれてないわ。うふふ、アリスか描いてあげる』
描き描き
バシュンッ!

千世子「わっ、本が光ったのだ!」

紫色の猫『……』

モノリス【｟おや、なにかしょうかんされたようですね。｠】

アリス『まぁ、チシャ猫さん!』

チシャ猫『やぁ、アリス。また会ったね。地獄でさまよっていた頃より顔色がいい』

悠「チシャ……猫。って、チシャ猫か?!」