ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「モノリスは自分じゃ動けないのだ?」

モノリス【⦅いまのままだとうごけません⦆】

悠「今のままっていうのは?」

メフィスト「現世は魔界ほど瘴気も魔力も漂ってマせんからネ。」

モノリス【⦅めふぃすとれすさまのいうとおりです。ですが、めふぃすとれすさまがまりょくをわけてくださればもっといろんなことができす⦆】

悠「分けてやれば?」

亘理『メフィ先生なら魔力とか有り余ってるでしょ?』

メフィスト「嫌デスよ。そうやって油断させて契約にさせる魂胆なんデスから!」

千世子「そうなのだ?」

モノリス【⦅はい。すきあらばけいやくにこぎつけますよ。⦆】

亘理『正直だ…』

悠「割と面の皮厚いな。」

摩耶「皮どころか顔すらないけどね」

神姫「契約すると具体的にどうなるの?」

モノリス【⦅いろいろととくてんがありますが、やはりくらいのたかいあくまのはいかというのはそれだけであんしんやあんていがあるのですよ。ひとむかしまえのこうむいんみたいなものです。⦆】

悠「ずいぶんな例えだな」

モノリス【⦅わかりやすさをじゅうししています。⦆】

悠「分かりやすさは大事だな」

亘理『映る文字がひらがななのも分かりやすさ重視?』

モノリス【⦅これもまりょくぶそくです。⦆】

神姫「関係あるの?」

モノリス【⦅にんげんにわかるげんごにへんかんしてるんですよ。⦆】

メフィスト「ところで、本当にこのまま置いておくのデスか?」

千世子「ちょっと大きいけど別に毒とか吹きださないしいいと思うのだ」

神姫「害はないっていったものね。ないのよね?」

モノリス【⦅わたしにこうげきのうりょく、ぼうぎょのうりょくはありません。⦆】

摩耶「契約したら攻撃能力もつくの?」

モノリス【⦅じゅじゅつとかつかえますね。あと、しょうかんとか。まほうじんをえがくものげんていですが⦆】

悠「限定?」

モノリス【⦅わたしはじゃべったりはできないのでわたしじしんにまほうじんをうかびあがらせてはつどうするのです⦆】

神姫「なるほどね。」

千世子「ちなみに触っても大丈夫なのだ?」

モノリス【⦅だいじょうぶですよ。といってもつめたいだけのいたですが⦆】

悠「どれどれ」
べしべし

亘理『触り方雑…』

モノリス【⦅あまりらんぼうにしないでください。あと、しもんをふいてくださいよ?⦆】

悠「眼鏡かよ…」

摩耶「その例えは微妙」

神姫「気になってたんだけど目とか耳とかないのに分かるの?」

モノリス【⦅あくまぱわーです。⦆】

神姫「便利な言葉だこと」

モノリス【⦅あの、わたしもひとついいですか?⦆】

千世子「どしたのだ?」

モノリス【⦅さいしょはていきゅうあくまかとおもっていたのですが、そのはしっているのはなんですか?⦆】

恋大根【……】
トタタ

悠「恋大根だ」

モノリス【⦅あぶらなかだいこんぞくのとしこえそうで、やさいとしてひろくさいばいされる。おもにひだいしたねをしょくようとするほかしゅしからあぶらをとることもあり、りょくおうしょくやさいでもありたんしょくやさいでもある。なまえのゆらいは、おおきなねをいみするおおねからのだいこんですか?⦆】

悠「詳しいな…」

摩耶「その大根だよ」

モノリス【⦅だいこんがはしるとはしらなかったです。⦆】

千世子「あれは特別な大根なのだ。」
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