ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「校庭に落ち葉が溜まってきてるな」

摩耶「ホントだね。火を放ったら丸焼けだよ」

悠「今です。敵陣を火で覆い尽くすのです。」

千世子「孔明なのだ?!」

冥「なにいってるのナ!」

悠「おや、管理人ちゃん。ちょっと孔明ごっこしてた」

亘理『諸葛さん』

悠「はわわわ」

神姫「そっちかい」

亘理『どっち?!』

悠「はわわとあわわもいいけど馬謖さんも忘れないであげてください!」

千世子「才能はそこそこ高かった馬謖さんなのだ。」

摩耶「けど、劉備に「馬謖は口先だけの男である から、くれぐれも重要なことを任せてはならない」とか言われた馬謖さん」

神姫「街亭の戦いで魏に惨敗した馬謖」

冥「そして諸葛亮に泣いて斬られた馬謖さんナ」

亘理『なんで皆、そんなに馬謖に詳しいの?!』

悠「それで管理人ちゃん、何かご用かな?」

冥「ああ、そうでしたナ。ラヴクラフトさんはいらっしゃいますかナ?」

ラヴクラフト「なに、か…?」

冥「触手をすこし分けていただけますかナ」

ラヴクラフト「好きに、しろ…」
ぞわわ、ボトボト

冥「はい、いただいていきますナ」

悠「コズミックホラーだな」

摩耶「僕はあの触手をどうするのかが気になる。」

神姫「食べるんじゃない?」

亘理『ひぇっ!』

悠「後楽は食っても普通にしてるから害はないんだよな。残念ながら」

雨「黒い…」

悠「それで何の話だっけ?」

千世子「馬謖じゃなかったのだ?」

亘理『馬謖はもう良いよ…』

悠「馬超?」

亘理『なんで馬一族?』

雨「いや、なんでそもそも三国志……」

悠「じゃあ、フェイスハガーの話するか?」

雨「意味が分からない」

悠「名の由来は「Face(顔~に)Hugger(張り付く~もの)」だ」

雨「そういう意味の分からないじゃない」

悠「丁度、人の手を手首から合わせ開いたような部位に人の指に酷似した脚が伸び、脊椎のような尾を生やしたようなシルエットをしている。色も人肌の色に近く、生理的嫌悪感を抱かせる。クイーンエイリアンから生み出されたエイリアンエッグ又はエッグチェンバーの中に潜み、寄生対象が近づくとエイリアンエッグが開き、中から飛び出す。そして寄生対象の頭部に張り付き、脚と尾部で固定すると、胴部に女性器に似た器官から管を伸ばして寄生体を送り込んだ後、活動を停止するんだ。」

亘理『改めて説明聞くと超キモイ…。』

千世子「夢に出てきそうなのだ。」

摩耶「色んな死に方あるけどフェイスハガーに寄生されて死ぬのは嫌だよね。」

神姫「ホントに」

雨「いや、だからなんで、フェイスハガー談義…」

悠「雨は親近感湧くだろ」

雨「ぶっ殺すわよ!」

悠「ぶっ殺すとか言われた」

摩耶「オレたちチームはな!そこら辺のナンパ道路や、仲よしクラブで、「ブッ殺す」「ブッ殺す」って、大口叩いて仲間と心をなぐさめあってるような負け犬どもとはわけが違うんだからな。「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」

悠「プロシュートの兄貴!」

雨「なにこれ……」

亘理『ジョジョ第五部52巻』

神姫「53巻よ」

亘理『くぅっ!私はまだ読み込みが甘い!』

雨「それだけ分かってたら十分よ…」

ラヴクラフト「悠、ちょっとこれを見てくれ…」

悠「あ?」

ラヴクラフト「フェイスハガー」
ズゾゾ

悠「フェイスハガーどころかひと撫でで肉も骨も削っていくよ、その触手だと…」
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