ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『悠ちゃんが喜ぶ、私の特技活用を考えました』

悠「ほう。つまりそのおっぱいの活用か」

亘理『違う。世界を唱えてナイフ投げるモーションしてみて』

悠「ふむ。世界『ザワールド』時よ止まれ!」
ブンッ!

亘理『ほっ、念力ー』

フワフワフワフワ
ピタピタピタピタ

摩耶「おー、まさに時間停止のサウザンドナイフ、シャーペンとかだけど」

悠「そして、時は動き出す」

ひゅひゅひゅひゅ!
神姫「……」
パッパッパッパッ

千世子「平然と掴んでいく神姫ねーちんでした。」

悠「むしろなんで神姫の方に飛ばした……」

神姫「亘理、ちょっとお話」

亘理『ひぃ…』

【ロビン・フット】

千世子「えーと、亘理ちゃんが一回休みですが、じゅぎょーしますなのだ。イギリス首都ロンドンから北に約200キロメートルの地点に広がる「シャーウッドの森」。日本から鎌倉時代に突入し、イギリスでアーサー王伝説が生まれつつあった時代、シャーウッドの森には緑色の服を着た無法者たちが住んでいたというのだ。その者たちのリーダーこそ、弓の名手として名高い「ロビンフット」なのだ。ロビンは権力者の横暴に抵抗した、庶民の英雄なのだ。」

摩耶「ちょっと飛ばした方向がまずかったね。」

悠「おれがあっちに向けて腕を振ったのがまずかったかな」

摩耶「まぁ、そういう時もあるよ」

雨「次はアンタなんじゃない?」

悠「なんでや!」

千世子「ロビンフットと無法者たちは、森に来た旅人たちを襲ったり、僧院に忍び込んだりして金品を奪う、いわば盗賊団だったのだ。にもかかわらず、イギリスの人々にとってロビンフットは今でも人々に愛されている人気者なのだ。それは彼が悪を倒して弱者を助ける「義賊」だったからなのだ。」

神姫「ったく」

亘理『ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ…』

悠「軽く精神崩壊してね?」

摩耶「悠君にお咎めは?」

神姫「私を狙ってたならするけど」

悠「まったく狙っていません。そして亘理も狙ってたわけじゃないんだと思います!」

神姫「まぁ、そうでしょうね。でも、叱るところは叱らないとね」

悠「そうでございますです」

神姫「……」
パァン!
悠「なぜかぶたれた!?」

千世子「ロビンフットの敵は権力を悪用する代官や聖職者、裁判官などであったのだ。ロビンとその仲間たちは、彼らから金品や食料を奪い、貧しい人たちに分け与えたのだ。法を執行する役人や、民衆からの搾取で富を蓄えた聖職者へ不満を持っていた民衆にとって、ロビンフットの活躍は痛快なものだったのだ。」

雨「普通にイラッとしたんでしょ」

摩耶「分かる」

亘理『ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ…』

悠「角度45度チョップ」
ゴスッ!
亘理『はうっ!はっ?!』

摩耶「SAN値回復よう恋大根」

恋大根【……】
トタタ

雨「いや、それ下がらない?」

亘理『ふー、危なかった』

雨「治ったよ…」

千世子「しかし一方で、ロビンは国王には忠実であったし、弱者を思いやる性格だったのだ。ロビンフットはならず者でありながら、騎士道精神も持ち合わせた人物だったのだ。また、ロビンフットはフェミニストで、女性や、女性のいる一団を襲うことは絶対になかったというのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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