ー奇談ー學校へ行こう

ー教室(2/15/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

摩耶「ノートいっぱいになっちゃった。」

悠「見ていいか?」

摩耶「どうぞ」

花描「綺麗な字だな。それに読みやすいし」

悠「ちゃんと色とか使っててマメだな。」

摩耶「僕昔は字がすごく汚かったからね。頑張ったんだ。」

千世子「摩耶は本当に偉いなぁ」

摩耶「ありがとう」

千世子「じゃ今日のじゅぎょーに入るのだ」

【ソーサラー】
生まれつきの素質によって魔法を使う

悠「ソーサラーっていったらサイクロンとか操るイメージがあるのはおれだけかな」

花描「俺は爆発とかのイメージだな」

神姫「私は強力な魔法を使う悪役のイメージね」

千世子「「ソーサラー」とは、「ソーサリー」の術を使う者のことなのだ。けど、ソーサリー(sorcery)やマジック(magic)といった言葉を日本語に訳すと、すべて魔法になってしまうのだ。日本人にはこれらの違いがなかなかわからないのだ。それどころか、西洋文化圏の人々でさえも、両者の使い分けはかなり曖昧になっているようなのだ。」

摩耶「ソーサラーとウィザードは違うの?」

千世子「ウィザードは語源が「賢者」ということもあり、「研究と努力によって魔法が使えるようになる」というイメージがあるのだ。一方、ソーサラーは「もともと魔法の才能を備えている人」というイメージが強いのだ。」

花描「じゃあソーサラーとウィザードだと、どっちが強いんだ?」

千世子「一概には答えられないのだ。けど、文学作品やゲームの世界だと、なぜか「ソーサラーのほうが強力な魔法を使える」としているケースが多いのだ。」

悠「たしかに下級職がウィザードやマジシャンで上級職もソーサラーのパターンがあるしな」

千世子「これは「いくら研究や努力を重ねても、持って生まれた才能には敵わない」という一般論に加え創作の世界では「悪のボス(ソーサラー)が弱い魔法使いだと、物語として盛り上がらない」という事情が重なった結果だと思うのだ」

神姫「悪役はソーサラーが多いわよね。」

千世子「それは、中世ヨーロッパのキリストが行った「魔女狩り」で、ソーサラーが魔女(ウィッチ)と同一視されたのが発端の説もあるのだ。」

悠「そう考えたハリーポッターに出る闇の魔法使いヴォルデモートはソーサラーっぽいな」

千世子「強力な魔術師で、かつ私利私欲によって行動するのは典型的なソーサラーかもしれないのだ。以上ソーサラーのじゅぎょーだったのだ。」
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