ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「雨なのだ」

悠「雨だな」

雨「……」

恋「雨じゃな」

神姫「雨ね。」

雨「…………」

摩耶「雨だねぇ」

亘理『どっちの話?』

悠「くものあめの話だよ」

亘理『わかんないなぁ』

雨「わざと言ってるでしょ、アンタら」

神姫「……アンタ?」

雨「……」

悠「謝って!すぐに謝って!きゃぁぁ!」

神姫「うるさい」
ドゴォッ!
悠「腹部っ!」

千世子「身体が逆くの字になったのだ」

摩耶「次は「う」の字になるよ」

亘理『ボディやられたうえに頸飛んでる?!』

神姫「首か…」

悠「首のキャストオフ機能はないのでやめてください」

神姫「今はしないわよ」

悠「今「は」ってなんでしょうか。今「は」ってのは」

神姫「……」

悠「ダンマリ怖い」

千世子「ボンドとか用意しといた方がいい?」

悠「首チョンパしてボンドでどうにかできると思ってるのかなぁ?」
ぷにぷに
千世子「あんちんなら治る気がするのだ」

悠「治らないよ」
ぷにぷに
千世子「……」

亘理『その楽しそうなこと私にもやらせて』

悠「ほっぺを無心に突くという至極の癒し」
ぷにぷに
千世子「……」

亘理『えへへ』
ぷにぷに
千世子「千世子はいつまでこうされてたらいいのだ?」

摩耶「多分、そのままだとずっとかな」

恋「限度を知らんからな」

悠「倍プッシュだ」

神姫「それ、言い続けてたら最終的に血液をかけて麻雀する羽目になるわよ」

摩耶「鼻と顎も尖りだしそうだね」

恋大根【……】
トタタ
巨大な虫【……】
ザザザ

悠「……え、今なんかすごいの走ってなかった?」

摩耶「うん、凄いの走ってた」

亘理『……』
恋「……」

悠「なんでお前らそんな隅にいってんの?」

亘理『でっかい虫居た!』

恋「キショクワルイ!」

摩耶「虫苦手だったの?」

悠「そんなこといったら雨も虫ケラだぞ」

雨「ケラをつけるな!!」

恋大根【……】
トタタ
巨大な虫【……】
ザザザ
二足歩行する蛙【……】
ペタタ

悠「……増えてた」

摩耶「増えてたね」

神姫「変な鳥獣戯画見たくなってたわね」

義鷹「アレは地獄の虫だな」

悠「義鷹……地獄の虫?」

義鷹「地獄から出てきて盆を過ぎて帰りそびれた虫だよ。あの蛙もたぶんそうだ」

悠「いや、それヤバくね?地獄の虫って似髻虫(にけいちゅう※)とかいるだろ」

※:弓の弦のように細長い体に、対象の肛門から侵入して火と毒を吐き散らしながら内臓を喰い荒らし脳に到達する地獄の虫。

義鷹「そういう虫は地獄でしか生きられない。ああいう虫はただデカいだけで基本的に普通の虫と大差ない。野山とかでも暮らしていけるし適当に普通に死ぬときは死ぬ。テレビでもたまに普通のバッタよりでかいバッタとかって取り上げられてるだろ」

摩耶「ああいう虫って地獄産なんだ」

義鷹「全部が全部じゃないけどな」

恋大根【……】
トタタ
巨大な虫【……】
ザザザ
二足歩行する蛙【……】
ペタタ
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