ー奇談ー學校へ行こう10

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「むっ、ふっ、ほっ…」

摩耶「ずいぶんと元気だね。」

悠「ここ二日ばかり濃い酒を飲まされたもんでな」

亘理『濃いお酒?』

悠「蠍とコブラの酒と三種の獣の陰茎のエキスを混ぜた酒」

亘理『ふぁっ!?』

【ウィリアム・ウォレス】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。イギリスという国は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの国が手を組んで作られた連合国家なのだ。これらの国は長い歴史の中で、1000年近く敵対し続けてきたのだ。ウィリアム・ウォレスは4国の中で一番北にあるスコットランドの出身でイングランドに支配されていたスコットランドが独立する戦いで活躍した、スコットランド独立の英雄なのだ。」

亘理『そんなお酒ないでしょ?!』

摩耶「あるよ。飲みたくないけど」

神姫「あるわね。飲まないけど」

亘理『あ、あるんだ』

悠「独特の癖はあるけど飲めなくはないぞ」

雨「引くわぁ」

悠「蜘蛛に引かれるとは思わなかった。蜘蛛に!」

雨「どういう意味よ!」

千世子「事件は1297年に怒ったのだ。イングランドの兵ともめ事を起こした騎士を、とある女性が助けたのだが、その女性が罪人として処刑されたのだ。怒った騎士は、女性を処刑したイングランドの役人を殺害し、指名手配の身となるのだこの騎士こそが、平民出身のサー・ウィリアム・ウォレスなのだ。」

恋「その気色の悪い酒、絶対に持って帰るでないぞ」

悠「なんで?」

恋「気色悪いからじゃ!」

悠「でも、お前もそこそこ酒好きじゃん」

恋「普通の酒が好きなんじゃ!」

千世子「追われる身となったウォレスは、イングランドに対抗していた反乱軍に合流。狭い箸を利用した戦術で、2倍の敵を相手に大勝利を収めるのだ。この勝利によってウォレスは民衆の支持を集め、スコットランド独立の象徴となったのだ。」

亘理『ホントにそんなお酒あるんだ…』

摩耶「ハブ酒はメジャーっちゃメジャーでしょ?」

亘理『あー…』

神姫「まぁでも、お酒につけていいのは梅とか朝鮮人参までよね」

千世子「しかし、イングランドの予期せぬ大敗は、イングランドの本気を呼び起こしたのだ。翌年7月、重武装かつ多数のイングランド軍によってウォレスの軍は大敗。平民出身故に貴族からの指示が薄かったこともあり、ウォレスは失脚してしまうのだ。」

摩耶「陰茎とか金玉はきついよね」

亘理『め、めっちゃ笑顔…』

悠「今の動画にしてうPしたら一儲けできないかな」

神姫「悠」

悠「はい。」

神姫「ちょっと走ってるトラックとかの前に飛び込んだらいいと思うわ」

千世子「多くの民衆の協力を得て、スコットランド十を6年も逃げ続けたウォレスは友人の裏切りでイングランドに捕まり、四肢を一本ずつロープで馬とつなぎ、馬を一斉に走らせて身体を引き裂くという残虐な方法で処刑されてしまったのだ。」

悠「爆発四散しちゃうよ!」

摩耶「あはは」

亘理『これまたいい笑顔でいらっしゃる…』

恋「どいつもこいつも……」

恋大根【……】
トタタ…

千世子「イングランドに厳しく支配されていたスコットランドで、ウォレスは唯一と言っていいほど明確に、抵抗の意思を見せた人物だったのだ。ウォレスは捉えられ、命が危うくなっても、あくまでイングランド王への忠義を拒否したというのだ。」

悠「……朝鮮人参は酒につけるが、恋大根はどうだろうか」

恋「やめい!」

神姫「この大きさを着けるとしたら相当大きなビンがいるわよ」

摩耶「そうだね。あと、動くから縛らないと」

恋「やめいというとるだろう!」

亘理『完全に愛着をいてるね』

千世子「八つ裂きにされたウォレスの最後はスコットランドの民衆に強い独立心を植え付けたのだ。ウォレスは命を捨ててスコットランドのためにたたかった愛国者として、スコットランドを一つにまとめるシンボルになったのだ。以上、ウィリアム・ウォレスのじゅぎょーだったのだ。」
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